2020 Fiscal Year Research-status Report
我が国の少子化対策に貢献する在日コリアンコミュニティの家族形成の実態解明
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18K17644
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高 知恵 (椿知恵) 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (60582319)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在住外国人 / 母子保健 / 在日コリアン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は在日コリアン女性の妊娠、出産、育児期の現状についてのアンケート調査結果から、母子保健に関連する指標や母子保健制度の利用状況について明らかにすると同時に、妊娠期、分娩期、産褥期に生じる困難についてを明らかにした。在日コリアンは他の在住外国人とは異なり、日本で生まれ日本で育ちながらも、自国の文化を尊重しているという特徴がある。妊娠、出産、育児はその国の文化や伝統が重要視されるが、言語的なハンディキャップがなく、日本で生まれ育つ在日コリアンは、母子保健指標や母子保健制度利用は日本人妊産褥婦と類似していた。そのため、他の在住外国人とは異なり日本人と同様の保健指導が必要であることが示唆された。また、妊娠、分娩、産褥期の困難としては、マイナートラブルに関連する困難と、複合育児に関連する困難が多くみられ、在日コリアンコミュニティの重要性とそこでの支援の在り方について、助産師の役割の重要性について示唆された。 加えて、在住外国人の妊娠期、分娩期の指標について捉え、日本人と比較することで、在住外国人の国籍別での特徴を捉えるとともに、在住外国人に必要な保健指導の内容を検討し、安心して日本で妊娠期、分娩期、産褥期を過ごすことができるような支援について検討することを目的に調査を実施した。 総合周産期母子医療センターで2019年9月から2020年10月末までに出産した在住外国人約300人と日本人妊産婦約600人を対象とし、電子カルテから、妊娠、分娩に関連した指標について抽出し、検討を行った。今後、分析を行い在住外国人の国籍別での特徴と必要な保健指導について検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で予定通りに調査が実施できていない。カルテからの情報収集に関しても、研究実施施設への立ち入りが制限されている問題などから、順調には実施できていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、カルテからの情報収集は終了している。外国人妊産婦および日本人妊産婦の実態を明らかにし、両者の比較および、関連要因について、検討する。また、国籍別の特徴を把握し、特徴に応じた保健指導内容について検討していく。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍で研究遂行が予定通り進まなかったことで雇用や謝金の発生がなかった。また、国際学会での発表を予定していたが、中止となったこと、その他国内学会に関しても、全てオンラインでの学会開催となったため、旅費が発生しなかったことから次年度使用が生じた。
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Research Products
(6 results)