2018 Fiscal Year Research-status Report
熟練訪問看護師の臨床判断モデルの開発ー新卒訪問看護師教育の開発に向けてー
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18K17647
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
山田 貴子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (30645536)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アセスメント / 観察 / 視覚情報 / 看護師 / 看護学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、熟練訪問看護師の観察スキルを可視化し、観察から臨床判断までの思考過程のモデルを構築することである。まず臨床経験のある看護師や看護基礎教育課程の看護学生が療養環境において何を観察し、その観察した結果をどのようにアセスメントしているのか特徴を明らかにする必要がある。 第1段階として、5年以上臨床経験のある看護師7名と看護系大学4年次生7名を対象に実験を行った。実験手順は、事例を黙読後、対象者に眼球運動測定装置を装着し、研究者の合図のもとにスクリーンに映しだされた静止画像を観察してもらった。観察内容については眼球運動測定装置を用いて視覚データを収集し、アセスメント内容については半構造化面接にて逐語録を作成し、分析した。設定場面は脳梗塞を発症し内科的治療のため入院となった患者の療養場面とした。 結果は、観察項目数は学生(平均:12.9)より看護師(平均:16.4)のほうが多く、広範囲に観察していた。場面の注視時間が長かった箇所は「①患者」「②オーバーテーブル」「③車椅子」「④ベッドストッパー」であった。とくに「①患者」への注視時間は、学生よりも看護師のほうが長く、有意差がみられた(p=0.03)。アセスメント内容については、学生は画像から判断できる内容や気づき、探索的なアセスメントであった。一方、看護師は事前の情報と視覚からの情報を統合したアセスメントを行い、患者の行動予測や今後起こりうる問題を予測するという特徴が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は臨床経験のある看護師と看護学生を対象に実験を実施し、看護師と看護学生の注視とアセスメントの特徴を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階の研究結果を分析し、論文作成を行っている。 第1段階では看護師と看護学生を対象に実験を実施し、看護師と看護学生の注視とアセスメントの特徴が明らかになった。第2段階では、訪問看護師を対象に、訪問看護師の臨床判断について調査していく。
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Causes of Carryover |
2018年度に購入予定であった眼球運動測定装置は、学内共有で使用することができたため購入せずに実験することができた。そのため経費はあまり使用しなかった。次年度以降は解析ソフト等を購入する予定である。
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