2020 Fiscal Year Research-status Report
在宅認知症高齢者の家族介護者に対する認知行動療法プログラムの開発と検証
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18K17650
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
齋藤 嘉宏 西九州大学, 看護学部, 講師 (90807413)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症家族介護者 / 認知行動療法 / 電話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在宅認知症高齢者の家族介護者に対する認知行動療法プログラムの開発と男性介護者に対する有用性の検証である。本年度は、昨年度に引き続き研究対象者の選定ならびに認知行動療法を用いた介入を行った。研究期間を通し、研究対象者10名を確保することができたが、研究対象者の確保が困難であったため研究対象者全てが介入群となっており、対照群を設けることが出来なかった。 研究対象者への介入は、認知的技法(認知再考性)と行動的技法(行動活性化)を用いて行い、介入方法は電話を用いて行った。本研究は全7回(1回目と2回目は同日に実施したため、日数は6日間)のプログラムで構成されているが、各日の介入前、自己評価式抑うつ性尺度を用いて研究対象者の心理的健康度を把握し、認知行動療法実施前後の体調管理に努めた。介入前後、体調不良となった研究対象者はみられなかった。第1回、第7回の介入では、アンケート調査(研究対象者の属性や、介護負担感、自己効力感、自尊感情の心理測定尺度を含む)とインタビュー調査を実施し、介入前後での心理面の変化を把握した。全7回の介入終了後は追跡調査(アンケート調査)を実施し、研究対象者10名全員のアンケートを回収することが出来ている。介入途中での脱落者は1名のみであった。中断となった理由として、介護時間の影響から研究参加時間の確保が困難であったことがあげられた。 研究対象者10名のデータを取得したため、量的データ、質的データの確認作業を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響から研究対象者の選定に苦慮し、当初予定していた研究期間を延期することとなった。2020年度末までに、本研究にご協力を頂いた10名の対象者に対しては、計画をしている全ての介入を終了し、データを取得することが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、研究対象者に認知行動療法を用いた介入研究を行っている。10名の研究対象者に対する介入が終了したため、迅速に結果の整理と分析を行っていく。当初、介入群と対照群(認知行動療法を受けず、通常の生活を送られる方)との比較検証を予定していたが、研究対象者の数が少ないため、10名の研究対象者は全て介入群となっている。引き続き、研究対象者の募集を継続する。
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Causes of Carryover |
本研究は認知行動療法を用いた介入研究である。研究者の介入スキルの質を担保し、研究の質を向上させるために認知行動療法のスーパーバイザーからご指導を頂いているが、研究の遅れから次年度使用額が発生した。介入スキルの質を担保するためのスーパーバイザーからのフォローは次年度まで継続し、その謝金として使用する予定である。また、研究発表を行う旅費の使用も同様に、研究の遅れから発表年度が次年度になったため、次年度使用予定である。
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