2018 Fiscal Year Research-status Report
特養看護職の看取りの実践能力向上のための施設横断型学習プログラムの構築と評価
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18K17657
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
内山 孝子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80781624)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 看取り / 学習プログラム / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
特養という人員配置の少ない組織で、しかも生活の場での看取りという実践に根づいた学習を成立させるためには、個人を対象として研修を受けさせるという受動的学習に終始せず、施設を超えて看護職がつながり、実践を共有し、学びあい、能動的に現状を改革していく推進力となる場を創造し、支援し合うような学習及び実践変革のためのプログラムを開発することが急務である。 看取りに焦点化するのではなく、よい看取りにつなげるための入所時からの入所者のこれまでの生活や価値観を中心とした基本的な高齢者看護の知識と技術、医療ケアと看取りに至るまでの意思決定支援、家族ケア、介護職との連携など、看取りケアの全体を含む学習とする。知識提供型の学習に加えて、他施設で実践研修をするなど、施設を超えて特養という場を共有する学習者による<状況学習>を組み入れることで、学習効果を飛躍的に高める可能性がある。施設を超えた特養の看護職の組織づくりは、看護職の能動的な学習と実践変革の場となり、ひいては特養の看護サービスの質の向上、看護職の自己効力感の向上、看護職の満足度につながり、特養の人材確保対策の一端を担える可能性が期待できる。 そこで、本研究の目的は、アクション・リサーチを通じて、施設を超えて特養という場の実践を共有する看護職による能動的な学習と実践の変革をもたらすための学習プログラムの構築と評価に取り組むことである。 2018年度は、特養看護職の看取りの実践能力向上のための組織づくりと施設横断型学習プログラムの基盤を検討することであった。しかし、特養入所者の重度化に伴い、研究参加者である看護職は多忙となり複数の施設看護責任者で組織するステークホールダー会議の開催が困難であり、学習プログラムの検討に至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究のステークホールダーである特別養護老人ホームの介護職の人員不足等により看護職員の負担が大きく、業務外の時間帯のワークショップの開催が困難であった。施設の人員体制が安定するまで介入を遅らせることが適切と判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年4月からワークショップの開催に先立って、スティークホルダーである特別養護老人ホームの看護師とワークショップの開催の打ち合わせを行った。6月からワークショップを開催するためのスティークホルダー会議を再開することを決定した。 ステークホールダー会議とは、関東圏内都市部の特養看護職で指導的立場にあり、協力の意思を示したステークホールダー4・5名と研究者で構成する。その後、ワークショップ「特養看護職の集いの会」を立ち上げ、その企画運営を通じて、課題を改善するための学習プログラムの検討と評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ワークショップが予定通りに開催できなかったため、データ収取のための旅費、データ整理のための人件費、研究参加者への謝金、ワークショップ開催会場の使用料、テープ起こし代、専門的知識の提供代、会議に関連した費用の使用がなかった。また、参加者・アルバイトの交通費の使用することができなかった。これらの状況から、当初の予定通りに使用することができなかった。 2019年度使用計画については、当初の研究活動計画を再検討し助成金の使用計画は以下の通りである。物品費について:図書購入費(老年看護関連書籍)30,000円とする。 消耗品について:コピー用紙・筆記用具などの文具費・プリンタートナーの購入 60,000円とする。国内旅費について:調査のための交通30,000円、研究成果発表のための出張費(交通費・宿泊費・日当含む)60,000円、ワークショップ参加者交通費@1000円×20名分×6回 120,000円とする。人件費については、データ・資料整理アルバイト 1,000×8時間×18日 144,000円とする。謝金については、専門知識の提供 40,000円とする。その他については、コピーカード10,000円、複写費5,000円、通信費10,000円、会議会場費60,000円、会議費90,000円、テープ起こし420,000円、研究協力謝品40,000円、研究成果報告学会参加費15,000円、アルバイト交通費18,000円とする。
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