2018 Fiscal Year Research-status Report
前頭側頭葉変性症と診断された若年性認知症者と家族の経験
Project/Area Number |
18K17658
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 前頭側頭葉変性症 / 家族 / 経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年性認知症は社会的かつ家庭的においても重要な役割を担う年齢層に発症し、就労、経済、養育などさまざまな生活課題に直面する。また行動および心理学的症候が老年期認知症と異なる点があることから、そのケアも異なったものとなり、したがって求める社会的支援も異なることが考えられる。しかし、日本における若年性認知症者の生活実態は今なお不明確な部分が多く、社会的支援も不足していることが考えられる。研究者は以前、若年性認知症者の妻の体験を明らかにする研究に取り組む中、その子どもの思いも間接的に知る機会があった。立場が異なれば知りうる情報が異なり、考えることや思いも異なることはありえる。そこで家族全体を支援することが重要であると考えた。若年性認知症の代表的な原因疾患にはアルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、レビー小体病、血管性疾患、外傷性脳損傷などがある。本研究では脳変性疾患でケアが困難といわれている前頭側頭葉変性症に焦点を当てる。 本研究の目的は、前頭側頭葉変性症と診断された若年性認知症者とその家族の経験を明らかにすることである。平成30年度にはまず、国内文献を検討し、家族の経験、ケア、活用されるサービス等の現状と課題を検討した。海外文献では若年性認知症者と家族の経験について検討した。また、複数の家族会に参加し、前頭側頭葉変性症者とその家族と関わる機会を増やし、理解を深めた。さらに家族会運営者から前頭側頭葉変性症者の家族の現状に関する情報を得た。所属機関における研究倫理審査委員会の承認を得て、研究参加者の募集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究参加候補者を募るにあたり、計画した状態に適した前頭側頭葉変性症ご本人を含むご家族に研究の説明が行えず、当初の計画よりやや遅れている。当初の計画では2018年度からデータ収集を実施する計画であったが、現在は研究参加候補者への研究説明を終えて、研究参加同意を待っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、4月以降に研究参加の同意を得ることができたので、データ収集を開始した。今後も研究参加者を継続して募り、データ収集を行う予定である。前頭側頭葉変性症者に対しては特に倫理的配慮に注意し、データ収集に取り組む。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していた1回目のデータ収集実施に至らなかったため旅費が残った。またこれに関連してインタビューデータの逐語録作成に予定していた費用が残った。
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