2019 Fiscal Year Research-status Report
前頭側頭葉変性症と診断された若年性認知症者と家族の経験
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18K17658
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 前頭側頭葉変性症 / 家族 / 経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度から開始となった本研究の目的は、前頭側頭葉変性症と診断された若年性認知症者とその家族の経験を明らかにすることである。初年度は若年性認知症者や前頭側頭葉変性症者に関する文献検討を実施した。研究計画書を作成し、所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て、開始した。初年度末に第1回目のインタビューによるデータ収集を実施する予定であったが、家族会を通しての募集という方法としたが、条件に合う研究参加者を得ることが困難であった。協力を依頼する家族会を増やしたり、期間を延長するなどにより年度末に少しずつ研究参加者を得ることができた。しかし、予定の家族数に満たなかったため、募集期間とデータ収集期間をさらに延長し、2019年度には3家族から研究参加の同意を得ることができた。2018年度末に第1回目のインタビュー実施の計画であったが、結果的には遅れている状態となった。 2019年度は3家族の研究参加者を得ることができたためデータ収集を開始した。第1回目のインタビューに参加いただいた3家族の内訳は、夫が前頭側頭葉変性症者である2家族、妻が前頭側頭葉変性症者である1家族であった。インタビューは自宅あるいは研究者の施設で実施した。インタビュー時間は30~70分程度であった。前頭側頭葉変性症者は自らの状況などを流暢に語ることができる方、あるいは筆談に応じられる方であった。前頭側頭葉変性症者は家族への感謝の気持ちを表す方もいた。家族は前頭側頭葉変性症者の初期の変化に戸惑い、日常生活の中での対応に心を砕いていた。戸惑いの感覚は、診断名を知ったことで納得できる感覚に変化する場合と受け入れられない感覚が混在していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由は、計画していた第2回目のインタビューが終了していないためである。 第1回目のデータ収集期間を延期していたため、第2回目となる2019年度のデータ収集期間は、2020年3月~2020年6月に変更した。3月上旬にCOVID-19の感染防止対策を行ったうえで、1名(成人の家族)のインタビューを実施した。しかし、その後に予定していた他の研究参加者のインタビューはCOVID-19の感染拡大の危険を考慮し、対面でのインタビューを自粛したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染収束状況に応じ、研究参加者と相談しながらデータ収集を再開する予定である。データ収集を再開するときは、十分にCOVID-19の感染防止に努める。 COVID-19の収束が長期化する場合は、データ収集を対面ではなく電話等で実施することを検討している。
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Causes of Carryover |
第2回目のインタビューがほとんど実施できなかったため、次年度使用額が生じた。COVID-19の感染収束状況を鑑みつつ、臨機応変にデータ収集方法の変更を行い、対面でのインタビューだけでなく電話等でのデータ収集も計画する。
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