2022 Fiscal Year Annual Research Report
Experiences of persons with early-onset dementia diagnosed as frontotemporal lobar degeneration and their families
Project/Area Number |
18K17658
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 前頭側頭型認知症 / 家族 / 経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度から開始となった本研究の目的は、前頭側頭葉変性症と診断された若年性認知症者とその家族の経験を明らかにすることである。研究参加者の条件にあう家族の参加がなかなか得られなかったことやCOVID-19の影響により、研究データの収集が約1年遅れとなっての取組となった。最終年度となる2022年度は、研究参加者である3家族に4回目のインタビューを実施しデータを収集することができた。約1年前に実施した前回のインタビュー以降における家族の経験を語って頂いた。 A家族は前頭側頭葉変性症者の症状は緩徐であるが進行しており、発語はかなり少なくなった。介護者である妻はデイサービスを活用するとともに、近隣の協力も得て在宅介護を継続していた。子どもは兄弟間の連携をとり母親を支えていた。B家族は前頭側頭葉変性症者は病院に入院していた。妻はCOVID-19により面会はできないが、病院からの連絡を頼りとしていた。子どもは母親の支援を行っていた。C家族は前頭側頭葉変性症者の症状は緩徐であるが進行しており、子どもの名前を口にできなくなってきた。しかし、料理と洗濯は変わらず行えており、主体的な行動を継続できている。介護する夫はその他の家事を担当しつつ、妻を支えていた。子どもは介護する父親に感謝を示していた。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、家族成員の一人が前頭側頭葉変性症と診断を受けるという人生の出来事に対し、その前後で家族成員は各自の病いの経験をし、その経験は変容し続けていた。
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