2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症進行抑制に向けた膝関節急速内反運動改善に対する介入研究
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18K17671
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 昇 広島大学, 病院(医), 理学療法士 (20467773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | varus thrust抑制 / 機能的電気刺激装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「膝OA患者に対するVM(内側広筋)活動タイミング改善を目的にFES(機能的電気刺激装置)を用いた歩行時筋活動再教育訓練の効果を探索的に検討する非盲検単独介入前後比較試験を実施する」ことである。2021年度は対象症例を30名を目標に研究を実施し、短期及び2年間の長期的効果を検証する予定であった。しかし、コロナ感染症対策のため新規対象者は0名であった。また、初回介入から2年間経過する対象者の長期的フォローアップも感染対策の観点から実施できなかった。 そのため、2021年度以前に実施したデータより、短期的効果について検証し、以下の結果が得られた。FESによる介入前後の歩行時のvarus thrust(荷重応答期における最大膝関節内反角から最小膝関節内反角を減じた値)と、立脚期膝関節最大伸展角度を比較した結果。varus thrustの中央値は、介入前3.2°、介入後1.8°であり、介入後有意に減少し、膝関節最大伸展角度の中央値は介入前10.1°、介入後8.3°で有意に減少した。 VMは膝関節伸展運動と膝蓋骨を内側に牽引することで膝関節を安定させる機能を持つ。膝関節は軽度屈曲位で内・外側側副靭帯が弛緩し内外反方向に動揺する。結果より、FESによりVMの活動開始のタイミングを踵接地前に修正する歩行練習は、膝関節伸展角度を改善させ、varus thrustを抑制する可能性が示された。 目標症例数に至っていないため、2022年度は新規対象者をリクルートする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症蔓延防止対策により、新規対象者のリクルートができないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は新規対象症例数を20例とし、他施設より対象者をリクルートすること、また当施設のコロナ感染症蔓延防止対策手段の内容変更を依頼し、リクルート要件を緩和する。その上で、測定時間短縮を目的に測定方法の簡素化を検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度に研究対象者のリクルートができなかったため、ウォークエイド(R)レンタル料が発生しなかった。そのため、該当資金を2022年度に繰越す予定である。また、英文校正費、論文投稿費として使用予定である。
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