The neurophysiological effects of auditory rehabilitation focused on acoustic characteristics

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K17672
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 中川 慧 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10711070)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 聴覚リハビリテーション / 脳磁図 / 難聴 / 音響特性 / 神経生理学

Outline of Annual Research Achievements

一度死滅した聴覚神経細胞は回復しないといわれており，難聴の回復には難渋している．そのなかで，近年，突発性難聴者に対し，障害側のみで集中的に音楽を聴かせる病側耳集中音響療法を併用することで，顕著に聴力が回復したと報告され，自らの耳で音を積極的に聞くことが，難聴の回復手段の一つ，すなわち「聴覚リハビリテーション」につながる可能性が示唆された．一方で，我々は，高音質な音を提示することが可能なスピーカーを使用することで，語音の聞き分けに対する脳活動が増大することを報告した．そこで本研究では，高音質な音を聴かせる音響療法による「聴覚リハビリテーション」が難聴の回復を促すかどうかに関して，脳波や脳磁図等の電気生理学的手法を用いて検討することを目的としている．

当該年度（3年目）では，データ計測を開始した．研究デザインは，ランダム化二重盲検比較試験とし，難聴を呈する対象者に対し，音響特性の異なる２種類の集音器使用による１か月間の介入を実施し，介入前後で聴覚誘発脳磁界および聴力，語音弁別能力を評価することとした．介入は，いずれかの集音器を用いた1か月間の音楽聴取とした．現状，3例の対象者への評価を完了しており，引き続き対象者のリクルート，データ計測およびデータ解析を進める予定である．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究デザインの確立，データ計測開始までに時間を有した．2021年度には，データ計測，データ解析を進め，聴覚リハビリテーション効果の検証を進めていきたい．

Strategy for Future Research Activity

引き続き，対象者のリクルートならびに介入検証を行い,「聴覚リハビリテーション」効果の検証に関して，研究を進める方針である．

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響により，学会出張等ができず，旅費やその他経費に未使用額が生じた．
2021年度は，消耗品の購入や学会等への出張費としての使用を計画している．