2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K17682
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
堀江 真由美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (90310862)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / 感情理解 / 音声プロソディ / 判断速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症者に対し,ことばの意味と話者の気持ちが一致する音声プロソディと一致しない音声プロソディを用いて,話者の気持ちの理解力を調べることを目的と した。そのために認知症者と比較する対照群として、若者と健常高齢者に関して検討を行った.また軽度認知症者に予備的検討を行った. 若年者と健常高齢者の音声による人の気持ちの理解力を調査するため,音声を聴取してもらい,各音声の理解度について正誤と反応時間を調べた. 若年者、健常高齢者でも正誤判断で誤りに差はなかった.また,対照群として調査した色名の判断速度にも両者に差はなかった。しかし,感情を表す音声の判断速度では肯定的な言葉の意味と気持ちが一致した音声は有意な差はなかった。しかしそれ以外、特にことばの意味と話者の気持ちが一致しない音声では若年群に比べ、健常高齢者が時間を要することが得られた。軽度認知症者には予備的検討として数名に実施した。軽度認知症者と健常高齢者の間では,ことばの意味と話者の気持ちが一致しない音声では軽度認知症者が時間を要することが得られた。正確な判断反応時間を計測するために,視聴覚認知を測る瞬間提示器PCタキストスコープ(tachistoscope)を用いて実験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知症者との比較対象群となる若年者、健常高齢者の調査を行った.また軽度認知症者に予備的検討を行った. 参加した若年者、健常高齢者でも正誤判断で誤りに差はなかった.しかし,判断の反応時間では健常高齢者が時間を要することが得られた。そのため正確な判 断反応時間を計測する必要が考えられた.そのためにシステムを組み込んだ計測装置を使い若年者約15名、健常高齢者約60名で検証した。軽度認知症者は予備的実験として数名に実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
若年者、健常高齢者でも正誤判断で誤りに差はなかった.しかし,判断の反応時間では健常高齢者が時間を要することが得られた.正確な判断反応時間を計測するため視聴覚認知を測る瞬間提示器PCタキストスコープ(tachistoscope)を用いて、本実験を実施した.また判断の反応時間を要したということは,判断に迷いを伴ったことを示すためにも、ボタン押し操作の反応時間を考慮し、刺激に対する反応時間を計測する課題として,色名判断課題を実施した.その結果,色名判断には若年者、健常高齢者に差が無いことが分かった。 若年者、健常高齢者および認知症者に関して本実験を実施する。そのため認知症者には認知症者は、認知レベルを長谷川式簡易知能評価スケール( HDS-R)と Mini-Mental State Examination (MMSE)を用いて評価する。また,数人の軽度認知症者にはMoCAを実施して評価を行った。認知症レベル別に各音声について理解力を調査する予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表に出かけていない、次年度に成果をまとめて発表するために、学会出張をしたい。
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