2018 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋パルス電流刺激がヒトの体性感覚機能にもたらす効果とその神経基盤の解明
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18K17691
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (80707315)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体性感覚機能 / 非侵襲的脳刺激 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題のテーマで体性感覚機能には、一次体性感覚野が重要な役割を担っていることが知られており、特にα波と呼ばれる比較的低周波な成分やγ波と呼ばれる高周波成分が知覚には重要であることがわかっている。本年度はα波やγ波を高めることができるα帯域の経頭蓋交流電流刺激(α-tACS)とγ帯域のtACS(γ-tACS)を一次体性感覚野に与えたときに生じる体性感覚機能の変化を検証し、その刺激効果と脳波データの関連性についても検証を行った。その結果、tACSを行う前のα波やγ波のパワーとtACSによって生じる体性感覚機能の変化の間には相関関係が認められた。つまり、tACSによって生じる体性感覚機能の向上には刺激前のαパワーとγパワーが関与している可能性があることが示唆された。 また、上記の体性感覚機能と脳活動計測と平行して、脳波データを高精度で計測・解析できる技術の習得に努めた。本計測・解析技術を用いることで、本研究の主たる目的である経頭蓋パルス電気刺激が体性感覚機能にもたらす効果の神経生理学的メカニズムを詳細に検証することが可能となる。現在、計測した脳波データを用いて、事象関連脱同期やパワースペクトル密度などの様々な解析を予備的に実施している。 来年度は経頭蓋パルス電気刺激を後頭頂葉に対して付与したときに生じる体性感覚機能や脳活動の変化を詳細に検討し,体性感覚機能向上を促す新たなリハビリテーション手法の開発に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波データの解析方法の習得が想定よりも時間を要している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波データの解析方法を習得した後、体性感覚機能を向上させるための介入方法を検討することを目的として、後頭頂葉に対して経頭蓋パルス電気刺激を用いる研究を計画している。
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Causes of Carryover |
本年度は、脳波データの計測・解析技術の習得に注力し、当初計画していた海外学会への参加を控えたことにより次年度使用額が生じた。
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