2018 Fiscal Year Research-status Report
超音波照射による筋肥大効果の仕組みを解明し、廃用性筋萎縮予防の可能性を探る。
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18K17703
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Research Institution | Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy |
Principal Investigator |
清島 大資 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 講師 (80756370)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波 / メカニカルストレス / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
廃用性筋萎縮の予防・病状軽減を目的に筋力トレーニングがよく用いられている。一方、超音波療法は骨折部位の治癒促進などに用いられているが、筋萎縮への効果は不明な点が多い。我々は、この超音波照射に筋細胞から分化誘導した筋管を肥大させる作用があることを見出しており、廃用性筋萎縮の予防に超音波療法も活用できる可能性があると考えている。そこで、培養骨格筋細胞に対する超音波の非温熱効果、特にメカニカルストレスに着目し、①培養骨格筋細胞より分化した筋管に対する超音波照射の肥大化作用の機序の解明と、②超音波照射の筋組織に対するin vivoにおける効果の検証を行うことを目的とした。本年度は、超音波照射による筋肥大効果の最適条件を検証するため、強度(0.1~1.0 W/cm2)、周波数(1、3 MHz)、運転サイクル(10~50 %) を様々な照射条件で組み合わせ、超音波を照射した。筋肥大の解析は、超音波照射24時間後の筋管の横径を測定した。筋管の測定は、Trendelenburgらの方法を参考に、筋管の横径がおおよそ一様になっている箇所を筋管細胞の長軸に50μmの間隔をあけて3か所測定し、筋管横径の平均値を1本の横径とした。その結果、強度は、強度依存的に筋管の横径が大きくなる傾向があり、周波数は,1MHzよりも3MHzの方が筋管の横径が有意に大きくなった。運転サイクルも大きさ依存的に筋管の横径が大きくなる傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究予定として、平成30年度中に単離した筋衛星細胞、分化誘導した筋管、筋芽細胞(C2C12細胞)、間葉系幹細胞、筋組織由来線維芽細胞様細胞に対する超音波の作用を解析する予定であった。しかし、超音波照射による筋肥大効果の最適条件を決める研究に多くの時間が必要となり、予定通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度中に行う予定であった超音波照射による筋肥大効果をウェスタンブロット法によるシグナル分子リン酸化やリアルタイムPCRによる分化マーカーの定量解析の他に、細胞内Ca2+濃度変化やROS産生などイメージング解析を令和元年度早々に実施する。また、令和元年度に実施する予定である研究は同時に進めていく。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた、超音波治療器の購入費が少なく済んだ。また学会参加費、旅費も少なく済んだため。 令和元年度は、ウェスタンブロット法によるシグナル分子リン酸化やリアルタイムPCRによる分化マーカーの定量解析を行う予定のため試薬購入費として使用する。
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