2020 Fiscal Year Research-status Report
3次元映像投影技術を用いた脳性麻痺児での歩行停止動作の分析と練習法の確立
Project/Area Number |
18K17708
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
木元 稔 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40759586)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 歩行 / 歩行停止 / gait termination / バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺児では、人や物などへの衝突回避に必要な急な歩行停止が困難である。しかし、健常児においては急な歩行停止が運動学的・運動力学的側面から解析されているものの、脳性麻痺児においては歩行停止に関する基礎的なデータもない状態である。この原因の一つとして、転倒しやすい脳性麻痺児に対し、急な歩行停止の課題をどのように提示するが確立されていないことが挙げられる。近年発展が著しい映像投影技術の1つにプロジェクションマッピングがあり、原寸大の大きさの模擬物体を壁や床面に投影することが可能である。したがって本研究の目的は、プロジェクションマッピングの技術を応用し、模擬の障害物を床面に投影することでより安全に歩行停止の課題を提示することで、脳性麻痺児の歩行停止を運動学的・運動力学的側面から研究することとした。 2020年度における当初の実施計画としては、5~10歳といったより低年齢の脳性麻痺児や健常児でのデータを計測することとしていた。2019年度までにも低年齢帯の脳性麻痺児や健常児でのデータは計測できていた。しかしながら、Covid-19の影響で計測ができず、新たなデータの取得はできなかった。そのため2020年度は、現時点で取得できているデータの解析することを中心に研究を行った。 その結果、脳性麻痺児では健常児や健常成人と比べ、左右方向への重心運動や圧中心移動が大きいことが明らかとなった。歩行は前方への推進運動であるため、急に歩行停止を行うためには、後方への力の発揮が必要になる。しかし、脳性麻痺児での左右へ大きい重心運動は、これを制御するために圧中心も左右に大きく運動させ、左右方向に力を発揮することが求められる。これは後方への力の発揮を阻害するものであり、脳性麻痺児における歩行停止の難しさを特徴付けていると分析している。この分析内容は、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響により、当初予定していたより低年齢である脳性麻痺児や健常児のデータ取得が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
低年齢帯の脳性麻痺児や健常児のデータ数は不十分ではあるものの、解析に必要な最低限のサンプルサイズには達していると考えている。新たなデータの取得は一旦中止し、現在すでに入手できているデータをより詳細に分析し、論文としてまとめ、投稿することを予定している。
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Causes of Carryover |
2020年度に計画していたデータの計測が、Covid-19の影響により困難になった。そのため、当初計画していた支出を行うことができなかった。2021年度に計画を移行し、英語論文の校正のために支出する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Book] 小児理学療法学2020
Author(s)
藪中 良彦、木元 稔、坂本 仁
Total Pages
432
Publisher
メジカルビュー社
ISBN
978-4-7583-2007-8