2023 Fiscal Year Annual Research Report
Biomechanical Analysis of Gait Termination in Children with Cerebral Palsy Using 3D Projection Mapping Technology and the Development of a Training Method
Project/Area Number |
18K17708
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
木元 稔 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40759586)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 歩行 / 歩行停止 / 距離 / 歩行速度 / 3次元歩行解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺児では歩行中の転倒が多いことが知られており、急な歩行停止が難しいことが転倒の理由の1つとして挙げられている。しかしながら、脳性麻痺児におけるこの急な歩行停止について、客観的なデータにより検証された報告はこれまで無かった。さらに、この急な歩行停止の難易度は、歩行速度や停止位置までの距離によっても変化すると推測される。しかし、定型発達児や成人でさえ、歩行の急停止動作に対する歩行速度や停止距離の影響を分析した報告は無かった。 そこで本研究ははじめに、脳性麻痺児の急な歩行停止は停止の時間と歩数を要することを確認した(Kimoto et al. 2021)。 さらに、歩行距離や停止位置までの距離の影響を分析するために、研究方法においてプロジェクションマッピングの技術を応用し、床面に歩行速度の誘導線や歩行停止位置を指示する線を床面に提示した。被験者はこの歩行速度の誘導線の後を追うように歩き、突然表示された歩行停止位置を提示する線の手前までで歩行を急停止させた。この歩行速度の誘導線が任意の速度で歩行させることが可能かを検証したところ、高い正確性と精度で可能となることを脳性麻痺児と定型発達児で確認した (Kimoto et al. 2023)。 歩行速度と停止までの距離を変えた歩行停止の検証では、脳性麻痺児での特徴が発見された。定型発達児では停止動作後の1歩目で大きなブレーキ力を発揮できるものの、脳性麻痺児ではこのタイミングでの力の発揮が小さく、2歩目において定型発達児よりも大きな力を発揮していた。この理由として脳性麻痺児は歩幅が小さいため、ブレーキ力を発揮するための床反力ベクトルを後方に向けることが難しいと考えられた。脳性麻痺児では歩幅を増大させるエクササイズが(Kimoto et al. 2019)、歩行停止の能力を高めることが示唆され今後のさらなる研究が期待される。
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