2020 Fiscal Year Research-status Report
WISH型股関節装具を使用した変形性股関節症患者における筋力の経時的変化について
Project/Area Number |
18K17710
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 江奈 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30811179)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変形性股関節症 / 全人工股関節置換術 / ROM / 筋力 / WISH型股関節装具 |
Outline of Annual Research Achievements |
変股症患者に対しWISH型S字股関節装具(WISH装具)による保存療法を行い、歩行時の疼痛軽減効果やHarris hip scoreの有意な改善を認めた。しかしながら、装具の適応は、筋電図所見から初期および進行期の病期で、運動制限の少ない症例であり、運動制限の多い進行期や末期に対する治療には十分ではない。全人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)の術前後の身体機能の変化に関する報告は散見されるが、短期的な入院期間における報告は多くない。術後早期の身体機能の変化を知ることは、短期的な入院期間における介入のポイントを理解し、リハビリテーション介入や入院生活の環境を設定するうえで重要であると考える。そこでTHAを施行した変股症患者の入院期間における術前後の関節可動域および筋力の変化について、術式を後外側進入法に限定し、明らかにすることを目的とした。 術前ROMでは股関節内転以外は非術側に対して術側が有意に低かったが、術後2週では有意な差はなかった。術側の股関節外転ROMは、術後有意に改善した。筋力は非術側に対して術側が術前、術後2週ともに低かった。術側の股関節屈曲、伸展筋力は術後1週で有意に低下し、術後2週で有意に改善した。 術側ROMは術後2週で非術側程度に改善した。術側筋力は術後2週で術前レベルに回復するが、非術側に比べて有意に低かった。術後1週の筋力は、術前よりも低下していることを考慮し、理学療法介入をするべきであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変形性股関節症患者の股関節周囲筋力は装具装着時に股関節屈曲、外転、膝関節伸展筋力が、患側の筋力が健側に比べて有意に低下しており、股関節内転筋力は健側、患側とも同程度に低下していた。装具療法における筋力への影響については、股関節外転筋力が、装具装着後3か月と6か月に健側程度の筋力の改善を認めた。以上から、WISH型股装具着用による歩行練習により、股関節外転筋力は装具装着後3か月以降で健側程度に改善することが明らかになったことから、WISH型股装具による筋力の改善は6か月までにおいて、股関節外転筋力が3か月以降で改善することが分かった。 WISH型股装具による筋力への影響については検討できたので、装具療法の適応、有効性や有効期間についての解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
WISH型股装具の装具療法の適応、有効性や有効期間についての検討を目的とし、装具装着者の長期的な経過と装具療法適用者の適切な判断について検討してゆく。
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Causes of Carryover |
covid19の感染状況により予定していた学会参加や発表が計画通りに行うことができないことがあった。 最終年度として研究成果の発表や情報収集を行う。データ整理や管理を目的とした消耗品の購入や発表するための費用として予定する。
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