2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of intervention for improvement of oral function: by using ultrasonography with image processing
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18K17714
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 由佳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (30791587)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超音波検査 / 筋力 / 口腔機能 / 開口力 / 舌骨上筋群 / 輝度 / 咽頭残留 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の口腔機能の低下は嚥下障害、そして誤嚥性肺炎の発症リスクを上昇させるため、誤嚥性肺炎の予防には早期からの口腔機能の評価と口腔機能を改善するための介入が有効と考えられる。しかし、非侵襲でリアルタイムに繰り返し、医療者誰もが使用可能な口腔機能の評価方法は確立していない。そこで、画像処理を利用したエコーによる口腔機能の評価方法の確立を試みた。本研究では口腔機能の中でも特に、誤嚥と関連すると報告されている、外部からの観察のみでは評価が困難である舌骨上筋の働きに関連する嚥下機能に着目した。まず、エコーで評価した舌骨上筋の一部である顎舌骨筋の厚み、輝度は口腔機能のパラメーターの一つである開口力と関連していたが、その寄与割合は小さいことが示された。次に、口腔機能の低下と関連する梨状窩の残留物をエコーで評価することを試みた。梨状窩の残留物は甲状軟骨を基準とした横断走査で観察が可能であり、経験を十分積んだ看護師による残留検知の感度は92.0%、特異度は71.9%であった。さらに、機械学習を用いて梨状窩の残留物を自動で着色する画像処理プログラムを作成した。看護師のみによる評価の感度・特異度はそれぞれ61.5%と62.5%であった。画像処理プログラムを適用した場合は感度84.6%、特異度68.8%であり、作成した画像処理プログラムは看護師の梨状窩の咽頭残留の観察における判断を支援し、残留検知の感度・特異度を向上させる可能性が示唆された。今後は、口腔機能を向上させる嚥下体操などを行うことで残留物が減少するか、本研究で作成したエコーによる梨状窩の咽頭残留の観察方法と画像処理プログラムを適用した評価を用いて、有効性の評価を行う必要がある。介入による残留物の減少を示すことで、非侵襲でリアルタイム、繰り返しの観察が可能なエコーによる、多くの医療者が使用可能な口腔機能の評価方法が確立すると考えられる。
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Research Products
(6 results)