2019 Fiscal Year Research-status Report
心臓リハビリテーション介入と運動機能改善および医療費削減効果の関係
Project/Area Number |
18K17715
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 周平 信州大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (10784481)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 心臓 / 運動機能 / 運動耐容能 / 再入院 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心疾患患者に対するリハビリテーションの実施によって、再入院率の減少と医療費削減効果について明らかにすることである。本年度の研究では、対象患者を縦断的に調査していく段階であり、下肢の筋力やバランス機能などの運動機能や運動耐容能の評価を2地点で評価出来るよう調査を進めた。 具体的には、退院後に心臓リハビリが処方された18歳以上の心疾患患者として、握力、等尺性膝伸展筋力、short physical performance battery (SPPB)、片脚立位時間、歩行速度および運動耐容能(6分間歩行試験)を評価した。現在、45症例の症例が3から5ヶ月以内の測定が可能であった。各検査で欠損はあるものの、代表的な指標の結果は、等尺性膝伸展筋力が低下した症例は13例(30.2%)、歩行速度の低下18例(54.6%)、6分間歩行試験が低下18例(40.0%)であった。運動機能が低下した症例の特徴をまとめ、フォローアップでの追跡調査を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主目的は「心疾患患者の運動機能の改善が再入院率の低下ならびに医療費の削減に寄与するか」を証明することである。研究1では運動機能の改善と再入院率の関係を明らかにするために、ベースラインとなる運動機能やADL、運動耐容能評価を行った。心疾患患者を対象として、入院期間中の心臓リハビリテーションによって運動機能やADLが改善した群と改善しなかった群を比較した。その結果、入院期間中にADLが改善した群の方が改善しなかった群と比較して退院後の再入院率や死亡率が低いことが明らかとなった。現在、さらに外来にてフォローアップを行い、運動機能や運動耐容能が改善した群とそうでない群の特徴をまとめてフォローアップを行っている段階である。したがって、現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、当院の外来心臓リハビリテーションが処方された18歳以上の虚血性心疾患患者とし身体機能評価を実施中である。測定開始時に運動機能評価を実施し、3~5ヵ月後に再度運動機能評価を実施する。その際に、①運動機能が改善した群(改善群)、②運動機能が変わらない群(不変群)、③運動機能が低下した群(低下群)、の3群に分類し、その後1年間の心血管イベント発生を評価する。なお、イベントは①全死亡率、②心血管由来の死亡率、③再入院率、に分類して解析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
データ入力の人件費として予算を確保していたが、COVID-19流行により雇用を停止せざるを得ない状況であった。差額はこの人件費が関与しており、次年度に繰り越して使用する予定である。
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