2023 Fiscal Year Annual Research Report
Method of early rehabilitation to improve the quality of life for patients with sepsis
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18K17719
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
對東 俊介 広島大学, 病院(医), 理学療法士 (50613501)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / 重症患者 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
系統的レビューを実施し、敗血症患者に対してICUから開始する神経筋電気刺激や床上エルゴメータ運動等を含む早期リハビリテーションはQOLを改善し、有害事象を生じないことを明らかにした。また、敗血症患者をはじめとした重症患者に対してICU退室後のリハビリテーションには運動療法を中心とした介入が実施されているが、QOLを改善しないことを明らかにした。さらに、ICU退室後の精神機能障害へのフォローアップ介入についても患者のうつ病、PTSD、不安症の有病率が減少しないことを明らかにした。 14施設の救命センターに入室した敗血症および敗血症性ショックの患者104名を対象にADLとQOLの変化を検討した。自宅退院が27名、転院が56名、死亡退院が21名であった。生存退院した残りの83名のうち6カ月後にさらに8名が追加で死亡した。6か月後のADLスコアが測定できた患者は28名で、QOLスコアが測定できた患者は46名であった。ADLスコア(Barthel Index)は68.6±39.6であり、QOLスコア(EQ-5D-5L)は0.572±0.355であり、EQ-5D-5L-VASは60.2±25.4であった。ADLが入院前と比べて6か月後に低下した患者は10名(36%)であり、低下した項目は排便コントール、トイレ動作、更衣、移乗、階段昇降、排尿コントールが多かった。一方QOLも19名(41%)で低下しており、低下を認めた項目は“ふだんの活動”、“移動の程度”、“身の回りの管理”、不安/ふさぎ込み、”痛み/不快感”の順に多かった。 国内の救命救急センターに入院した患者については入院前と比べて退位後6カ月後のADLやQOLが低下している患者は多く、トイレ関連動作や更衣、移乗や階段昇降の動作再獲得に向けたリハビリテーションが必要であることが明らかとなった。
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