2019 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中ADLリハの標準化―介入すべき機能と目標値を個別に導き出す客観的指標の開発
Project/Area Number |
18K17728
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
藤田 貴昭 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (50735636)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(2019年度)は前年度に作成した回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者のデータベースを解析し、脳卒中患者に対する効果的なリハビリテーション介入を行うための客観的指標の作成に取り組んだ。特に本研究では複数要因が重なった時の影響力(交互作用)と定量的な指標(カットオフ値)に注目し、脳卒中患者が日常生活活動を自立するために必要な要因について解析を進めている。以下が研究成果である。 ①脳卒中患者のセルフケア全体(食事・整容・更衣・トイレなど)の自立可否には、一定のバランス機能(Berg balance scaleで41点以上)を有するか、バランス機能が低下している場合には麻痺側上肢機能が一定水準(簡易上肢機能検査で80点以上)を有することが重要である。この2つの機能の両方が水準以下の場合、セルフケア自立の確率は著しく低下する。②脳卒中患者の歩行については、一定水準の麻痺側膝伸展筋力(0.69Nm/kg超)と下肢深部感覚(Stroke impairment assessment setで3点)の両方を満たすと自立確率が飛躍的に高まる。下肢深部感覚障害がある場合は、0.69Nm/kgよりも高い水準の麻痺側膝伸展筋力が自立のために必要になる。③脳卒中患者の日常生活活動(更衣)の自立予測モデルの作成に多層パーセプトロンを用いる場合、サンプル数は少なくとも80以上であることが望ましい。④回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者の転帰先(自宅・自宅以外)は、入院時のStroke impairment assessment set得点と年齢によって一定の精度で予測することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調にデータ解析を進めることができている。その研究成果の一部はすでに論文として公表し、他の知見も投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらに詳細なデータ解析を進める。例えば、日常生活活動全体の自立可否に関する客観的指標の解析を終えた後、個々の日常生活活動(食事、整容、トイレ、更衣、歩行など)の解析へと進めていく。
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