2020 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中ADLリハの標準化―介入すべき機能と目標値を個別に導き出す客観的指標の開発
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18K17728
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
藤田 貴昭 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50735636)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(2020年度)は昨年度に引き続き,回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者のデータを分析し,脳卒中患者に対する効果的なリハビリテーションを行うための客観的な指標の作成を試みた.以下が今年度の研究成果である. ①脳卒中患者の予後予測や効果的な介入を行うための視点となる交互作用(相乗効果、相殺効果)の検出を試みた.その結果,回復期リハビリテーション病棟退院時のトイレ自立に関わる要因として,入院時の体幹機能,年齢,認知機能が挙げられ,体幹機能がStroke Impairment Assessment Setの垂直性項目で3点,かつ認知機能が改定長谷川式簡易知能評価スケールで19点以上だと相乗効果が発生し,自立する確率が飛躍的に高まることが明らかとなった.一方で体幹機能がStroke Impairment Assessment Setの垂直性項目で2点以下であり,かつ年齢が70歳以上の場合は,自立確率が著しく低下することもわかった.また,脳卒中患者の自宅退院と関わる要因についても分析した結果,心身機能(Stroke Impairment Assessment Set)と年齢の間に自宅退院可否に関連する交互作用が存在することが明らかとなった. ②回復期リハビリテーション病棟入院時の状態から,退院時の入浴の自立可否を予測するための簡便な予測モデルを作成した.決定木での予測モデルの作成を試みた結果,入院時のBerg Balance Scale(バランス機能の指標)が35点以上の場合は退院時に入浴が自立しやすく(自立確率63.3%),かつ年齢が74歳以下だとさらに自立確率は上昇することが明らかとなった(75.7%). ③昨年度,学会発表を行った知見を論文で公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りデータ分析を進めることができており,得られた知見は速やかに公表することができているため.
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Strategy for Future Research Activity |
さらに詳細な分析を進める.得られた知見を臨床の場で活用する具体的方策を検討していく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により学会形式が現地開催からWeb開催に変更され,旅費の支出が削減されたため,次年度使用額が生じた.次年度使用額は翌年度分として請求した助成金と合わせ,研究成果をより効果的に周知するためのオープンアクセスの費用として使用することを検討している.
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Research Products
(6 results)