2018 Fiscal Year Research-status Report
身体運動学・心理学的アプローチによる理学療法士のハンドリング手技のエビデンス構築
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18K17729
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| Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
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Principal Investigator |
鈴木 博人 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (50635430)
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2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 理学療法士 / 動作指導 / ハンドリング / 運動学習 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、理学療法士のハンドリングスキルの特徴を明らかにすることが目標であった。
はじめに、理学療法士のハンドリングスキルを定量的に評価するツールとして、「上肢モデル」を作成した。このモデルは簡易的ながら、ヒトの肩関節、肘関節、前腕の関節を再現したものである。この上肢モデルを使用し、実験を開始した。
対象は理学療法士33名（経験年数10年前後12名、1年未満11名）と運動指導習慣のない成人10名とした。被験者に上肢モデルと同じ体格の健常青年男性が「バーを避けながらのリーチ動作」を行なっている映像を5回ずつ視聴させ、上肢モデルをハンドリングすることで視聴したリーチ動作を再現するように求めた。その際、動き（空間的要因）だけではなく、速度など（時間的要因）も含めて再現するように指示した。測定回数は１セッション5試行とし、それを３セッション実施させた（練習期間）。さらに１５分間の休憩の後、再度5試行実施させた（保持テスト）。その結果、理学療法士は練習の初期において運動指導の習慣がないものよりも視聴した映像に近い運動軌道を再現できていた。また、所要時間の誤差の観点では練習期間および保持テストを通して理学療法士の方が優れていることが明らかとなった。したがって、リーチ動作という単純な動作の他動的なハンドリぐにおいても、理学療法士は空間的な要因だけではなく、時間的な要因も含めて目標とする動作を即時的に再現できることが示された。時間的要因については、パラメータの追加・解析手法の工夫にてさらに解析を進める必要がある。また、理学療法士の知識・技術の違いにより観察時に必要な情報の量・質が異なる可能性も見られた。この点もさらに実験を進めていく必要がある。総じて、次年度に予定している「ハンドリングの運動学習効果の検証」に向けた基礎データを得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の目標は、理学療法士のハンドリングスキルの特徴を明らかにすることであった。結果、理学療法士が空間的な要因だけではなく、時間的な要因も含めて動作を再現できることを明らかにすることができた。ただし、得られた成果から理学療法士のハンドリングスキルの特徴をさらに解析する必要があるため、令和元年度も引き続きこの点について研究を進める。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年～2年度は、ハンドリングの運動学習効果を明らかにすることが目標である。しかし、運動学習効果に関する実験は平成30年度に行なった「理学療法士のハンドリングスキルの特徴」に関する研究成果をベースに進める予定である。そのため、令和元年度はハンドリングスキルの特徴に関する実験・解析を引き続き行いながら、運動学習効果の検証に向けた実験準備も進めていく。具体的には、測定方法・解析手法の工夫、解析パラメータの追加などを予定している。
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| Causes of Carryover |
実験において、被験者が近隣から集まり謝金に占める交通費が抑えられたこと、消耗品費が抑制できたこと、研究成果の報告が次年度に本格化することなどが理由としてあげられる。
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