2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evidence Building for Physical Therapist Body Handling Techniques Using Kinesiology and Psychological Approaches
Project/Area Number |
18K17729
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
鈴木 博人 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (50635430)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 理学療法士 / 動作指導 / ハンドリング / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では理学療法士のハンドリング技術の定量化による技術特性の解析と、ハンドリングにおける対象者の運動参加の有無による運動学習効果の差異を検証した。前者において、熟練理学療法士は操作対象の時間的制御に優れている可能性が明らかとなった。一方で、空間的制御の技術特性の解明には、関節運動制御を計測可能な環境の構築が必要となった。 昨年度に続き、令和4年度も追加実験を計画していたが、コロナ禍の影響より研究対象である理学療法士のリクルートに難渋し、新たなデータ収取を計画的実行が困難であった。そのため、令和4年度は令和元年度に行った能動ハンドリング群(能動群)と受動ハンドリング群(受動群)に関する実験データの再解析を行い、新たな知見の発見を目標に研究活動を行った。 再解析時には指先総軌跡長誤差、指先標的間誤差、所要時間誤差、指先軌道誤差とした。その結果、指先軌道誤差において保持テスト時に群間の有意差を認め、能動群が優れていた。併せて、各被験者の傾向を確認したところ、受動群のパフォーマンスのバラツキが大きかった。また、指先軌道誤差と同様の傾向を示した。一方、指先標的間誤差および所要時間誤差については群間に有意差を認めなかった。以上より、受動ハンドリングにより到達位置や動作時間の学習が可能であることが示唆された。一方で、3次元運動パターンの時空間的な学習には対象者の能動ハンドリングが必要であることが示された。 前述の通り、今後はハンドリングによる対象者の身体操作における関節運動制御の分析が可能な計測環境を構築し、その上で運動学習効果の検証を行う予定である。さらに、今回は模型を操作対象とした計測であったが、今後はヒトを対象とした実験を計画し、ハンドリング手技を個人間協応の観点から研究する必要性も高まった。以上について、すでに新たな計測システムを導入し、実験可能な環境の準備を終えている。
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