2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of executive function training to improve daily life capacity in stroke patients
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18K17732
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
川崎 翼 東京国際大学, 教育研究推進機構, 講師 (10735046)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遂行機能 / 日常生活機能 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、それまで得られていた研究結果に基づいた介入研究を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、新たに介入研究を行うための準備を整えることが困難で実施できなかった。 そのため、本年度はそれまでに行っていた研究のデータを蓄積することに専念することにした。地域在住の脳卒中患者の高次な脳機能の一つである、遂行機能(行動のゴール設定、計画、実行、進捗把握、思考の柔軟性など)と日常生活で行われるやや難易度の高い動作(手段的日常生活活動 [日用品の買い物、食事の支度など]、知的活動 [健康関連の記事や番組への関心、読書、書類作成など]、社会的役割 [他人宅への訪問、他人の世話、他人に話しかけることなど] との関連性について検証した。同時に、先に述べた遂行機能とさらに難易度の高い動作(新機器利用、情報収集、生活マネジメント、社会参加)との関連性も検証した。 得られたデータから、"運動の計画能力”、”進捗把握能力”、”思考の柔軟性”に関する認知機能は、"知的活動"や"社会的役割”と関連していることが示された。特に、"運動の計画能力”、”進捗把握能力”と"社会的役割"の関連性については、一般的な認知機能とは独立して関連することが示された。このことから、やや難易度の高い日常生活上での動作は、通常の認知機能より高次な脳機能と関連することが明らかになった。このような関係性は、さらに難易度の高い動作(特に新機器利用や生活マネジメント)との関連性も見出された。 研究期間中に介入研究の実施には至らなかったものの、これまでに得たデータから、日常生活上の高次な動作には、通常の認知機能ではなく、高次な脳機能(遂行機能)が関与しているため、基本的日常生活能力以上の生活能力向上には、遂行機能を改善させるトレーニングが有効となる可能性が示唆された。
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