2018 Fiscal Year Research-status Report
前庭ノイズ電流刺激が高齢者のバランス機能に与える持続的効果と長期介入効果の検証
Project/Area Number |
18K17735
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
犬飼 康人 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20757801)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者 / バランス / 前庭 / ノイズ / 電流刺激 / 理学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
「運動機能」や「感覚機能」の加齢変化により顕在化する高齢者のバランス障害は,転倒を引き起こすリスクファクターであり,加齢に伴い重心動揺速度が増加すると,転倒発生率が増加することが明らかになっている.前庭ノイズ電流刺激は,刺激中に若年者ならび高齢者のバランス機能を向上させる非侵襲的な刺激方法であるが,刺激後効果の有無や反復試行効果は不明である. 本研究の目的は,地域在住高齢者に対する前庭ノイズ電流刺激効果の持続性の有無と反復試行効果(長期介入効果)を明らかにすることである. 本年度は,若年健常者を対象にランダム化比較試験を行い,前庭ノイズ電流刺激の刺激後効果の検証を行った.検証の結果,転倒リスクと関連のある重心動揺速度は,刺激中のみならず,刺激終了後も有意に減少することが明らかとなった.一方,前庭ノイズ刺激を行わなかったコントロール群では,刺激前と刺激終了後で重心動揺速度は変化を認めなかった.また,前庭ノイズ電流刺激の刺激効果は,刺激前の重心動揺速度が高値を示す被験者で大きいという相関関係を認めることも明らかとなった.これらの研究成果は,本研究の目的である地域在住高齢者に対する前庭ノイズ電流刺激効果の持続性を検証するにあたり,比較対象となる重要な研究成果である. 現在は,地域在住高齢者に対する前庭ノイズ電流刺激の刺激後効果の検証に着手しており,健常若年者の結果と比較検証を行った後に長期介入効果の検証に取り組む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,若年健常者を対象とし,前庭ノイズ電流刺激の刺激後効果の有無を検証した.検証の結果,前庭ノイズ電流刺激は刺激中のみならず刺激終了後にも刺激効果は持続することを明らかにした.しかしながら,地域在住高齢者の効果検証に関しては,被験者募集に時間を要したため,当初の研究実施計画よりやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,比較検証を行うために必要となる健常若年者を対象とした研究成果を得ることができた.今後は,現在進行中である高齢者を対象とした前庭ノイズ電流刺激の刺激後効果の検証を行った後に,長期介入効果を明らかにする予定である.
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Causes of Carryover |
当初の予定より,研究の進捗状況がやや遅れていたため当初計画していた国際学会への参加を控えたことにより次年度使用額が生じた. 次年度は,現在投稿準備中の実験結果を国内外の学会で発表する予定である.また,当初計画していた測定項目に加え,重心動揺の周波数解析を行う予定である.そのための解析用PC,解析ソフト等の購入に充当する予定である.
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Research Products
(4 results)