2018 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症患者を対象とした理学療法診断に基づく客観的な臨床推論システムの構築
Project/Area Number |
18K17738
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
天野 徹哉 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (10617070)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 予後予測 / 臨床予測式 / 変形性膝関節症 / 理学療法診断 / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、変形性膝関節症(膝OA)を有する患者を対象とした理学療法診断に基づく客観的な臨床推論システムを構築し、根拠に基づいた理学療法(EBPT)を推進するための研究基盤を確立することである。 対象者の状態に応じた効果的な理学療法介入を提供するためには、膝OA 患者に対する標準的な理学療法介入において、効果が期待できない症例を事前に判別することによって、異なる治療法を検討する必要があると考える。しかしながら、我が国における理学療法の治療効果に関する予後予測は、担当理学療法士の経験則により主観的に行われており、理学療法士の専門性が不透明になっているのが現状である。 客観的な臨床推論を実践するためには、臨床現場で頻繁に用いられている理学療法評価のカットオフ値を設定し、一定の判別能力を持つ検査を複数組み合わせた臨床予測式(CPR)を抽出することにより、尤度比や検査後確率を高める必要があると考える。さらに、信頼性の高いCPRを抽出するためには、大規模調査により多くの症例数を集積する必要があると考える。以上のことから、本研究では多施設共同研究を実施することととした。 2018年度は、「調査・測定マニュアルの作成」・「研究倫理委員会の承認」・「協力施設の募集と研究説明」を実施することができた。また、4施設からの協力が得られ、30名のデータを集積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の達成度は約70%である。計画通り「調査・測定マニュアルの作成」や「協力施設の募集」を行い、データ測定を開始することができた。一方で、協力施設の数はまだまだ少なく、サンプル数は予定より少ないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より積極的に「協力施設の募集」を行う予定である。協力施設の募集については、研修会やホームページに加えて個人的な繋がりも利用し、より広く「協力施設の募集」を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 協力施設が予定より少ないこと、協力が得られている4施設では備品として筋力計があり、筋力計を購入する必要がなかったことから、差額が生じた。 (使用計画) 積極的な協力施設の募集により協力施設が増加すれば、筋力計を購入する必要性が増えると考える。
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