2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical reasoning system based on physical therapy diagnostics in adults with knee osteoarthritis
Project/Area Number |
18K17738
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
天野 徹哉 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (10617070)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 予後予測 / 臨床予測式 / 転倒 / 理学療法診断学 / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、変形性関節症(以下、膝OA)患者を対象とした理学療法診断に基づく客観的な臨床推論システムを構築するために、理学療法の適用判断に関する臨床予測式(clinical prediction rule:以下、CPR)を導出することである。 最終年度は継続して、協力施設での調査・測定を実施した。その結果、8施設の協力が得られ、173症例のデータを集積することができた。研究成果として、原著論文の投稿(掲載:1本、投稿中:2本)と学会発表(第26回日本基礎理学療法学会学術大会:2021年10月23・24日、オンライン開催)を行った。 本研究では、膝OA患者の将来の転倒を予測するCPR(転倒リスクスクリーニングツール)を導出することに成功した。具体的には、転倒歴・片脚立位テスト・5回立ち座りテストの3つの検査がすべて陽性(転倒あり、片脚立位テスト≦6.84秒、5回立ち座りテスト≧8.77秒)であった場合は、5か月の間に転倒する確率が81.3%に上昇することが明らかになった(検査前確率:21.1%)。一方で、3つの検査のうち2つ以上の検査が陰性であった場合は、5か月の間に転倒する確率が3.1%以下に低下することが示された。 本研究で得られた転倒スクリーニングツールは、転倒リスクが高い症例とそうでない症例を判別することができるため、膝OA患者に対する適切な治療(転倒予防対策)を行う際に役立つ指標になると考える。すなわち、膝OA患者の転倒リスクを評価する際には、上記3つの検査を実施すべきであると考える。また、転倒スクリーニングツールに使用されている検査は特別な機器や広いスペースを必要としないため、臨床活用しやすいスクリーニングツールであると考える。
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Research Products
(3 results)