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2018 Fiscal Year Research-status Report

関節不動化によるMMP13の発現変化と骨リモデリングに向けた治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 18K17745
Research InstitutionTokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology

Principal Investigator

遠田 明子  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10748677)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
KeywordsMMP13 / 骨粗鬆症 / 筋萎縮 / PTH / 卵巣摘出モデル
Outline of Annual Research Achievements

筋萎縮や骨粗鬆症は痛みを伴わないために,診断と治療が遅れることが,医学的にも社会的にも重要な課題となっている.我々は,これまでに,実験動物の骨格筋に電気刺激をすることで筋量が回復し,骨格筋分解酵素(E3ユビキチンリガーゼ)の発現量が減少することを報告した.また,副交感神経への電気刺激によって,血中カルシトニンの分泌量が上昇することを報告した.
骨萎縮と筋萎縮はオステオサルコペニアという一つの病態として,深い関連性が報告されている.本研究ではこれらの関係性をさらに詳細に明らかにするために,実験動物を用いて標的遺伝子の発現解析などを行なう計画である.また骨量減少モデルに対する電気刺激の影響を,骨量ならびに筋量の回復傾向の有無,血中の骨代謝ホルモンや骨のリモデリング関わる因子の発現解析などによって,臨床応用の可能性を探ることを目的にしている,
初年度の研究では実験系を確立するために,骨量減少モデルの中でも代表的なモデルの一つである卵巣摘出モデルラットを用いた.卵巣摘出モデルを採用したのは,マトリックスメタロプロテアーゼ13(MMP13)の発現量の増加が報告されているからである.本研究では,ELISAを用いて卵巣摘出直後の血中MMP13の分泌量を定量化した.さらに同じ血液サンプルを用いて,代表的な骨粗鬆症マーカー数種類の定量化を行なった所,MMP13の分泌が上昇した後に,血中パラトルモン(PTH)分泌量が上昇する傾向にある可能性が認められた.これらのことから,卵巣摘出直後のPTHとMMP13の関連性が強く示唆される結果となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の研究では実験系の確立のため,骨量減少モデルの一つである卵巣摘出ラットを用いて,卵巣摘出直後の血中のMMP13の分泌量の定量化を行なった所,摘出後にMMP13の急激な分泌量の上昇が認められた.また,同じサンプルを用いて数種類の骨粗鬆症マーカーの分泌量の定量化を行なった所,PTHの分泌量も上昇することがわかった.
これまでの研究により卵巣摘出によってMMP13の発現量が上昇する事が報告されてきたが,MMP13の発現解析は慢性期の報告が多く,卵巣摘出後の報告はほとんどない,本研究では,卵巣摘出後直後からMMP13の発現量が上昇することがわかった.さらに,これまでの研究で,MMP13の上流にPTHが存在する経路が報告されているが,卵巣摘出直後では,PTHの分泌よりMMP13の分泌の方が早い可能性が認められた.
よって,初年度の研究では,PTHとMMP13の関連性が急性期でも示唆される結果となった,さらに,PTHの下流にMMP13が存在するという上記の経路以外の経路を介した,新しいMMP13の経路が存在する可能性が示唆された.
これらの実験の結果により,本研究はおおむね順調に進展していると判断できる.

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究で,骨量減少の代表的な実験モデルである卵巣摘出モデルでは,MMP13の発現量の増加が報告されている.しかし,これまでの実験では慢性期の実験報告が多く,急性期の報告はほとんどない.さらに組織での発現解析多く,血液中のMMP13の発現量をリアルタイムで定量化している実験は認められないようである.
初年度はこれらの状況を考慮に入れ,卵巣摘出直後の血中MMP13の分泌量を定量化した.今後は,同モデルに電気刺激を行ないMMP13などの分泌量の変化を経時的に定量化する予定である.また,分子生物学的な遺伝子の発現解析を行なう予定である.また,血中PTHの分泌量も卵巣摘出直後に上昇することが解ったので,PTHも新しい標的とする予定である.また,我々のこれまでの動物実験では,MMP13の分泌に遅れてPTHの分泌量が上昇するようなので,MMP13とPTHの経路の関係性を明らかにする予定である.

Causes of Carryover

本年度は,実験系の確立のため,ELISAによる血液サンプルの定量化を試みた.次年度の研究ではELISAのみではなく,分子生物学的解析が必要となるので,リアルタイムPCRのサイバーグリーンや逆転写酵素,組織の免疫染色のための抗体などの購入に充てる予定である.また,Magpixなどによる骨代謝関連項目の発現解析もあわせて行ないたい.

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Published: 2019-12-27  

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