2021 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between interpersonal response based on body contact and sensory features in children with ASD
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18K17750
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松島 佳苗 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60711538)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム / 感覚特性 / 触覚 / 保護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)児の感覚特性とくすぐり遊び中の対人的反応に着目し、保護者とのくすぐり遊び中の行動反応と視線の計測に取り組んでいる。 本年度もCOVID-19 の感染状況に応じて進める必要があったが、個々のデータ収集を進めながら解析を行い、保護者からのくすぐりに対する行動反応とASDの行動特性に一定の傾向があることが示唆された。得られた結果は、第125回日本小児精神神経学会において報告した。また、データを追加した上で行動指標の再解析を行ったところ、ASD児においてもくすぐりに対してpositive な反応(笑顔や笑い声)は示すものの、子どもから保護者に接近する行動反応は少ない傾向が明らかとなった。これらの成果は、2022年5月に国際学会(INSAR2022 Annual Meeting)にて成果報告を予定している。また、データ数を増やし、得られたデータの妥当性を確認した上で、学術誌での成果報告を行いたいと考えている。視線計測で得られらデータに関しても、今年度はデータ解析を進めており、保護者のくすぐりを期待するphaseで、保護者の顔に視線を向けているかを定量的に検証した。具体的には、保護者の顔への注視回数を計測し、ASD児と定型発達児で比較を行った。解析結果からは、ASD児が定型発達児よりも顔を見ることが少ない傾向が確認されたが、ASD児の中でも定型発達児と同程度に顔を見ている事例も存在していた。この様な事例では、保護者が子どもの視界に積極的に入ろうとする行動が頻回に観察された。この様な結果からは、子ども側の反応だけではなく、保護者の関わりについても同時に解析していくことで、臨床的応用につながる結果が得られることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の感染状況に応じて、進めなければならない状況は継続している。特に、小児でも感染者数が増加しているため、引き続き感染対策を継続しながら取り組みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでのデータから得られている結果をまとめ、学術誌にてこれまでの成果を報告することを予定している。本研究で得られた結果は探索的なものであり、さらなる検証が必要であるが、分析を行うための指標を示すことで今後の研究に役立てるようにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
COVID-19により、研究補助なども依頼しない状況で研究代表者が個別でデータ収集を実施しており、人件費・謝金ならびに旅費の使用が予定していた額には至らなかった。本研究の目標を達成する上で、データ数としては十分ではないため、令和4年度も感染対策を行い個別でのデータ収集と解析を継続して取り組んでいく予定である。
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Research Products
(2 results)