2018 Fiscal Year Research-status Report
The influence of self-disclosure on recovery in people with mental illness
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18K17753
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
横山 和樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (10580053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神疾患 / リカバリー / 自己開示 / 情緒的支援 / ソーシャルサポート / ピアサポート / ピアサポーター / 縦断的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域で生活する精神疾患をもつ当事者の自己開示量を対象別および内容別に調査し、リカバリーの促進に影響する自己開示の要因を明らかにすることである。2018年度の具体的な計画は、①精神疾患をもつ人における自己開示尺度における開示対象を検討すること、②自己開示・リカバリー・情緒的支援ネットワーク知覚に関わるアンケート調査およびその追跡調査を実施することの2点であり、所属機関の倫理委員会の承認を得た後に研究を進めた。 ①については、リカバリーや障害開示に関わる文献レビュー、および精神疾患をもつ当事者や支援者数名との打ち合わせを通して検討を重ねた。その結果、“当事者の身近にいる重要な他者”として、「家族・支援者・職場の人・ピアサポーター・同様の障がいや病気を経験している人」が挙げられた。 ②については、就労支援および生活訓練施設に研究協力を要請し、対象者の募集を開始した。調査内容は、対象者の基本属性・主観的リカバリー・自己開示量・情緒的支援ネットワーク知覚とした。自己開示量は、精神疾患をもつ人を対象とした自己開示尺度を用いて測定し、開示対象は①で挙げられた他者のうち3名とした。追跡調査として、アンケート調査実施2か月後に同様のアンケート調査を依頼し、縦断的なデータを収集した。これまでに37名のデータが得られており、分析を進めている段階である。現時点までの成果については、学会発表と論文投稿を予定している。 以上より、2018年度の計画はおおむね順調に実施できたと考える。次年度以降は、更なるデータ収集と分析、また成果の発信に向けて、精力的に取り組んでいく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は当初の予定通り、就労支援および生活訓練施設を利用する精神疾患をもつ人を対象に、自己開示とリカバリーのアンケート調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、就労支援および生活訓練の施設を対象としているため、今後は精神科デイケアを利用する当事者・地域活動支援センターを利用する当事者・病気を持ちながらも就労している当事者等も対象とし、データ収集を継続する予定である。合わせて、データ分析も進め、精神疾患をもつ当事者のリカバリーに影響する自己開示の要因について,対象および開示内容の視点から明らかにできるように検討を重ねる。それらの成果は、学会発表や論文投稿を通して国内外に発信する予定である。
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Causes of Carryover |
これまでの分析を通して得られた知見について、学会発表や論文投稿をすることを計画立てていたが、成果をまとめるのに時間を要し、2019年度以降に実施することになった。 2019年度もアンケート調査を継続するため,印刷費・交通費・謝金等の経費の計上が必要となる。また、データ分析を進めるために、必要な機材やソフトウエア等の購入、および研究成果の発表のための学会旅費・論文投稿費としての支出を予定している。
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Research Products
(4 results)