2019 Fiscal Year Research-status Report
豊かな環境が糖尿病由来認知症ラットに及ぼす改善効果~介入時間・要素に着目して~
Project/Area Number |
18K17757
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Research Institution | Hokkaido Chitose College of Rehabilitation |
Principal Investigator |
久保田 健太 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 准教授 (70809871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病による認知症 / 豊かな環境 / 骨髄間葉系幹細胞 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は、認知症の発症リスクを増加させる。申請者らは、糖尿病モデルラットを豊かな環境で飼育(enriched environment : EE)する事で、認知症が引き起こす学習記憶障害が予防されることを確認した。さらにEEが認知機能へ及ぼす効果メカニズムとして、糖尿病による高血糖状態が内在性骨髄間葉系幹細胞(bone marrow-derived mesenchymal stem sell : BM-MSC)の異常化を進めてしまい、EEがBM-MSCの異常化を改善すること、さらに改善されたBM-MSCがマイクロRNA-146aを含むエクソソーム(exosomal miR-146a)を血行性に分泌し、アストロサイトの炎症を改善し神経保護作用を促す可能性を見出した。これらの研究においてEEは24時間で9週間介入を行なったが、人に応用する上では地域で行われている認知症予防教室などに倣い、短時間でも効果が認められるか検討することが必要と考えた。そこで本研究では糖尿病モデルラットに対し、短時間のEEにおいても糖尿病によるBM-MSCの異常化が改善され、BM-MSCが分泌するマイクロRNAがアストロサイトを修復し神経保護作用に働くかどうかを検索する。またEEのどのような構成成分(社会的相互作用・運動・認知)がBM-MSCの異常化およびマイクロRNAに影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
認知症モデルラットによる短時間の介入結果は改善傾向を示しており順調に進んでいたが、組織学的解析の段階においてコロナウィルスの社会的な外出自粛要請、職場の状況などの影響で進行度に遅れが生じている。またEEの構成成分がどう影響するかの実験に関しても、外出自粛が解除されない限り、新しい動物モデルを作成し再開することが困難であり現在は組織学的検証とともに遅れが生じている
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスによる社会情勢により研究室に通えない状況が続いているため実験自体が進められない状況である。自粛の再開後はすぐに取り組めるように研究計画を見直して準備していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行が遅れているため、次年度に継続する備品や試薬などの購入に使用する。
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