2020 Fiscal Year Research-status Report
RCTを用いた高齢女性に特化した転倒予防のためのステップ動作訓練方法の開発
Project/Area Number |
18K17759
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
前田 佑輔 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (00404765)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ステップ動作 / 三次元動作解析 / 動作正確性 / 転倒予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者数の増加に伴い、転倒予防の方策立案は喫緊の課題となっている。転倒を予防するために1つの方法として、ステップ能力の向上が挙げられる。そこで 本研究はRCTを用いて、動作速度を向上させるトレーニングと動作の正確性を向上させるトレーニングのどちらがステップ動作能力を向上させるか検証することを目的とする。また、若年者との比較からステップ動作能力低下に関する知見を得ることを第二の目的とする。 高齢者の被験者について、トレーニング開始前のデータとして、前方及び側方ステップ動作の測定を実施した。各方向につき、通常立位からのステップ、および傾斜姿勢からのステップを含んでいる。傾斜姿勢からのステップは、転倒場面に近い状況を想定している。また、通常速度でのステップおよび最大速度でのステップを実施した。これらの組み合わせにより、どの条件がステップ動作に影響を及ぼすか、検討する予定である。その後、高齢被験者について片方はステップ速度向上のトレーニング群に、もう片方はステップ正確性向上トレーニング群にランダムに分け、それぞれ週3日6 週間のトレーニングを実施しトレーニング完了後1週間以内に、再度ステップ動作の測定を実施した。現在、このデータを解析している。また、比較対象として 20名の若年者のデータを収集し、こちらも同様にデータの解析を進めている。解析は、ステップ動作時の足部の軌跡および下肢の関節可動域の時系列での可動域変化とし、時間による正規化をした。考察を進めるにあたって、文献の収集と内容把握を進めている。先行研究によると、ステップ動作の正確性に関わる要素として、全身の姿勢制御能力や下肢の協調性が要求されることが重要であることが明らかになっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度前半部分では被験者を集められないため、実験がストップした。後半部分で一部若年者のデータ収集を実施できたが、少人数にとどまった。 過去2年間で収集したデータについて、高齢者に関しては1名につき約160トライアル、若年者については1名につき80トライアルとなっている。これを1トライアルずつ精査する必要があるため、処理にも時間がかかる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度実施できなかった若年者のデータを収集するとともに、膨大なデータを処理して論文執筆を行う予定である。若年者データはあと10名程度を予定しており、本学の学生の中から募集する。高齢者のデータは取り終えている。 データ処理に関して、学生の研究補助を雇用して処理速度を上げる予定にしている。ステップ動作において、足部軌跡や下肢の各関節の角度変化の詳細を分析するため、足部が離地しているフェイズを切り取り、時間で正規化した後に同じ条件での動作10回分の軌跡一致度を検証する。10回分の平均軌跡を算出し、そこからの誤差を合計する。この誤差量がトレーニング条件や年齢によってどのような特徴がみられるかを観察する。
|
Causes of Carryover |
昨年度実施できなかった若年者のデータ収集に係る被験者謝金、消耗品が必要である。またデータ処理に関して、研究補助者を雇用するための人件費が必要である。
|