2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の能力にあわせて難易度が調整できる新たなバランストレーニングの開発
Project/Area Number |
18K17763
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Research Institution | Kobe International University |
Principal Investigator |
秋月 千典 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 専任講師 (00748957)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 高齢者 / バランストレーニング / 課題難易度 / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者一人ひとりのバランス能力にあわせてバランストレーニングの難易度を調整する方法を解明することに加え、難易度を調整したバランストレーニングが、高齢者のバランス能力と転倒発生に与える効果を検証することである。 2018年度には、実験で使用するバランス課題の成績が過去1年間の転倒発生と関連を有すること、課題遂行の心理的負担を測定する心理的指標が、課題難易度を反映することを明らかにした。 2019年度には、地域在住高齢者を対象に、2018年度の実験で過去1年間の転倒歴との関連が確認されたバランス課題を用いたバランストレーニングを実施し、課題遂行成績の向上(運動学習)が生じるかを検証した。その結果、練習終了24時間後の課題遂行成績は、練習前の課題遂行成績よりも有意に向上していることが確認できた。この結果は、本バランス課題が、高齢者のバランストレーニングにとって適切であることを示している。また、実験の中断により結論に至っていないものの、2018年度の実験で有用性が確認された心理的指標を用いることによって、バランストレーニングにおける最適な課題難易度が明らかになりつつある。 今後、状況を十分に検討したうえで実験を再開し、バランストレーニングにおける最適な課題難易度を定量的に解明する。そして、高齢者一人ひとりのバランス能力にあわせて難易度を調整したバランストレーニングが高齢者のバランス能力と転倒発生に与える効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月に高齢者を対象とした実験を行うために各所と調整を行っていたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、中止した。その結果、2019年度に予定していた実験の一部が未完の状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、安全に実験を実施できる環境が整えば、中断している実験を再開する。その後、高齢者一人ひとりの能力に難易度を調整したバランストレーニングの効果検証に関わる実験を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2020年3月に実施予定であった実験を中止したため、差額が生じた。この差額は、感染症収束後に当初予定した実験を実施するために使用する。
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