2018 Fiscal Year Research-status Report
膝前十字靭帯損傷の危険因子になり得る衝撃吸収パターンの解明
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18K17768
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
菊元 孝則 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780653)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ACL損傷 / 反対側再損傷 / 床反力 / 関節モーメント / 衝撃吸収パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
成長期における女性の膝前十字靭帯(ACL)損傷は,ACL再建術後における「反対側」の損傷率が高い問題を抱えている.その要因として,筋力に着目した競技への復帰基準が一般的であり,運動学的な基準が確立されておらず,1)好発動作である片脚着地の個人差,2)ACL再建術後における「反対側」に着目した危険因子に関するデータの蓄積が不十分であること,が考えられる.本研究では,「片脚着地時における各下肢関節の衝撃吸収パターンの変調は,危険因子である床反力鉛直成分ピーク値を規定する因子となる」という仮説を検証することを目的とした. 目的を達成するため,損傷の好発年齢である第2次成長期の女子選手を対象に,片脚着地時のVGRFピーク値発生時における,衝撃吸収パターンの分類とその変調因子を検証した.課題動作時の試技を,赤外線カメラにて撮影し,3次元動作解析を行い下肢の関節角度,下肢筋の筋活動量を算出し、3次元動作解析装置(サンプリング周波数250Hz)とフォースプレート(サンプリング周波数1000Hz)を使用し,片脚着地時のVGRFピーク値発生時における,矢状面上の各下肢関節モーメントを算出した.各モーメント値が,着地時の衝撃吸収にどの程度寄与しているか,重回帰分析により寄与率を導き出しパターン分類を行っている.今後はACL再建術を施行した選手の競技復帰後における,「再建術側」と「反対側」の衝撃吸収パターンの違いを検討したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計測と解析に予想以上の時間を要していることが主要因である.今後は解析の人員を増やし,研究計画通りに進むように改善したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
ACL再建術を施行した選手の競技復帰後における,「再建術側」と「反対側」の衝撃吸収パターンの違いを明らかにする.初回のACL再建術後1年以上が経過し,既に日本バスケットボール協会主催の公式戦に復帰している女子バスケットボール選手40名を対象に,平成30年度と同様の測定方法にて,矢状面上の各下肢関節モーメントを算出する.また,損傷リスクの少ないと考えられる「再建術側」からの測定を行い,測定時のリスクを最小限にする.
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