2018 Fiscal Year Research-status Report
過剰な同時収縮を引き起こすIa相反抑制と反回抑制のメカニズムの解明
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18K17769
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
平林 怜 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助手 (60804375)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脊髄相反性抑制 / Ia相反抑制 / D1抑制 / 同時収縮 / H反射 / 足関節 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰な同時収縮は円滑な関節運動を阻害し,機能回復の妨げや,運動パフォーマンスを低下させる要因となる.この要因の一つとしては,脊髄相反性抑制機構の破綻が報告されている.本研究では,同時収縮中の脊髄相反性抑制との関係を明らかにすることであった. 同時収縮中の脊髄相反性抑制の機能を明らかにするため,まず同時収縮中の収縮強度に着目し,ヒラメ筋と前脛骨筋の筋活動量を同程度にして,最大収縮の30%までの収縮強度で脊髄相反性抑制を計測した.その結果,最大収縮の15%以下では脊髄相反性抑制が働くことを明らかにした(Hirabayashi et al., Front Hum Neurosci, 2018).脊髄相反性抑制には,2シナプス性相反抑制(Ia相反抑制)と短潜時抑制(D1抑制)があることから,それらも詳細に計測した.また,ヒラメ筋と前脛骨筋の収縮強度も同程度でなく収縮の割合も変化させ計測し,脊髄相反性抑制は筋活動に依存しているのか,発揮した関節トルクに依存しているのかが不明であったため,筋活動だけでなく関節トルクも測定し実施した.その結果,拮抗筋の筋活動より主動作筋の筋活動比が高い同時収縮中はIa相反抑制とD1抑制が働き,発揮される関節トルクではなく筋活動比に依存して脊髄相反性抑制が機能していることを明らかにした(Hirabayashi et al., Exp Brain Res, 2019). 同時収縮中の収縮強度と拮抗筋同士の筋活動比によって脊髄相反性抑制が変調することが明らかとなり,同時収縮と脊髄相反性抑制との関係を解明する基礎的知見となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究では,同時収縮中の脊髄相反性抑制の機能を明らかにし,概ね順調に研究が進展している.拮抗筋同士の収縮強度における抑制量の変調を明らかにしている.現在は,脊髄相反性抑制はIa相反抑制,D1抑制,D2抑制からなり,これらの抑制機能が同時収縮中にどのようなメカニズムで働くか検討していく.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,同時収縮中の拮抗筋同士の筋活動比に着目して,脊髄相反性抑制の機能を明らかにする.さらに,脊髄相反性抑制にはIa相反抑制,短潜時抑制(D1抑制),長潜時抑制(D2抑制)があり,これらの抑制機能を詳細に検討していく.実験デザインは被験者20名を予定し,前脛骨筋とヒラメ筋の同時収縮中の筋活動比を変化させながら,脊髄相反性抑制の計測を行っていく.
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Causes of Carryover |
当初計画していた計測項目に加え,脊髄相反性抑制の短潜時抑制(D1抑制),長潜時抑制(D2抑制)の計測を行う予定である.また,筋活動の計側に加えて関節トルクも計測することで,フットプレートに取り付けるモーターとトルクセンサーの購入に充当し,消耗品類,国際論文投稿費に充当する予定である.
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