2021 Fiscal Year Research-status Report
眼球運動計測をリンクさせた軽度半側空間無視症例の自動車運転訓練シミュレータ開発
Project/Area Number |
18K17771
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
外川 佑 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10707376)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 半側空間無視 / 右半球損傷 / 自動車運転 / ドライビングシミュレータ / 実車運転 / 眼球運動計測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度に引き続くCOVID-19の影響で、実施を予定していた眼球運動計測装置をリンクさせた対象者の運転中のパフォーマンス計測について、機器的な制約もあり、研究の進捗に大幅な遅れが生じている.そのため、併せて実施している軽度の半側空間無視症例へ実施したドライビングシミュレータ上の運転行動特徴の分析を進め、前年度までの集積分と合わせてデータをまとめ、高次脳機能障害学会のシンポジウムにおいて成果を一部発表した.現在、その成果については、論文投稿にむけて準備を進めている.また、実車運転行動の特徴については、研究協力施設の院内コースを実車運転した右半球損傷患者を対象に、眼球運動計測装置を用いて、院内コースにおける一時停止場面での対象者の視線動態分析を実施した.この視線動態分析については、右半球損傷患者を運転再開群・非再開群に分けて分析を実施した.我々は、右半球損傷患者の運転非再開群では、左を目視する頻度が少ないという仮説を当初立てていたが、予想に反して、運転非再開群ではより左を目視しているという興味深い結果が出ている.これは運転再開を考慮するレベルの右半球損傷患者においては、実車運転時の課題難易度が低い場合、より左を目視する意識付けが起きやすい可能性があることを示しており、教習所等で行う実車運転評価の課題難易度の設定を再考する必要性を示唆するものであると考えている.今後は、この実車運転時の視線動態の分析に関しても論文化すべく準備を進める予定である.また、2020年度計画より挙げているドライビングシミュレータ訓練システムの新規構築・修正と複数例のシングルケースを用いた多層ベースラインデザインでの計測を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により、当初予定であった眼球運動計測装置をリンクさせた訓練機器を用いた研究に関しては十分に進められていない.
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、当該研究を代替および補完する研究として、軽度の半側空間無視症例へ実施したドライビングシミュレータ上の運転行動特徴の分析、実車運転時の視線動態の分析も同時に進めている.
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Causes of Carryover |
次年度使用額については、現在投稿準備を進めている英文校正費および掲載料等の成果報告に関する費用および、その他成果報告に関する学会報告旅費、シングルケース研究におけるデータ集積のための旅費として使用する計画である.
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