2023 Fiscal Year Research-status Report
加熱式たばこが呼吸機能と呼吸筋, 2型糖尿病ラットに与える影響について
Project/Area Number |
18K17779
|
Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
西井 康恵 畿央大学, 健康科学部, 助教 (50461207)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 加熱タバコ / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は血中と肺胞洗浄液(BALF)のコチニン、反応性タンパク(CRP)濃度の測定を行った。前年度に測定した血中コチニン濃度が、解剖時の燃焼タバコ群においては検出限界以下であり、燃焼タバコ投与後24時間経過すると、ほとんどが体外へ排出されていると示唆された。今年度測定の血中CRPにおいても解剖時は全群間で有意差はみられなかった。また血中CRPで燃焼タバコ水溶液の投与後20分、60分においても燃焼タバコ+高圧酸素群、燃焼タバコ+高圧酸素+運動群、加熱タバコ群の間に有意差はみられなかった。ところが解剖時における肺胞洗浄液のCRP濃度は燃焼タバコ群において約80μg/mL、他の群においては約30μg/mL前後であった。燃焼タバコ+高圧酸素群においてもCRPは低値であったことから、炎症は全身性ではなく肺胞内の局所性であったことが示唆された。投与後の経時的なコチニン濃度において、群間で差が認められなかったが、これはニコチンが体内で代謝されてコチニンとして血中へ移行し、主に尿から体外へ排出されるのだが、ヒトにおいては運動によって汗からも排出されるとの報告もあり、運動で汗をかかない動物においては運動群と非運動群の間で大きな差がみられなかったと示唆される。投与後60分における加熱タバコ群において血中コチニン濃度は51.0±2.2ng/mL、燃焼タバコ群13.4±2.1ng/mLと、加熱タバコ群の方が体内に吸収されたニコチン濃度は約3.8倍も高かったが、肺における炎症は燃焼タバコ群の方がCRP濃度が高かったことから。今後は肺の組織切片におけるマクロファージ数を比較して炎症についての群間の比較を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺の組織切片の免疫染色が完了していないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中に肺組織の分析を行う。
|
Causes of Carryover |
肺組織の分析が終了していないため。
|