2018 Fiscal Year Research-status Report
膝前十字靱帯損傷予防を目指したコアマッスルトレーニング効果の科学的解明
Project/Area Number |
18K17785
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木村 由佳 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40455746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膝前十字靭帯 / 神経筋コントロール / コアマッスルトレーニング / 傷害予防 / 動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では膝前十字靭帯(ACL)損傷の発生リスクとなる神経筋コントロールが不良な選手の抽出を行うと同時に、コアマッスルトレーニングが神経筋コントロールと膝関節運動に与える効果を解明することを目的としている。 ACL損傷の発生頻度の高いスポーツの1つである大学生サッカー選手10名を対象にトレーニング前のデータを計測した。被験者は全例男性で、膝外傷の既往の無いものとした。被験者には35cmの台上からの両脚でのジャンプ着地動作、片脚着地動作、カッティング動作を行わせた。またサッカーでのACL損傷に多いヘディングをシミュレーションした動作の解析を行った。助走から(1)前向きのヘディング動作後に左片脚着地、(2)助走から左まわりに回転し、後ろ向きのヘディング動作後に左片脚着地を行わせた。膝関節屈曲・内外反角度は前向きと後ろ向きのヘディング着地で有意差を認めなかったが、最大膝外反モーメントは後向きのヘディング着地時に有意に高値であった。着地の向きにより、股関節の内外転角度、体幹の着地脚側への側屈を認める例があり、股関節と体幹運動の不良が、神経筋コントロール不良に関連する可能性が考えられた。今後、これらの被験者には、コアマッスルトレーニングを行わせ、股関節と体幹運動のキネマティクス、神経筋コントロールに与える影響について解析していく。また、女子サッカー選手にもこれらの動作課題とコアマッスルトレーニングを行わせ、男女や年齢の影響についても解析をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者の募集開始が遅く、被験者の確保が困難であったため、課題全体にやや遅れを生じた。今年度はACL損傷予防について、啓蒙活動を行い被験者を募っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
膝外傷の既往の無い被験者では、台からまっすぐ前に片脚で着地を行う動作は、トレーニング前にもおおむね安定しており、神経筋コントロールが不良な選手の抽出、トレーニング効果の判定が難しい可能性が考えられた。そのため台から床への着地までの間にランダムな方向を示し、指示する方向へ切り返し動作を行わせるといった二重課題を取り入れてデータを収集する予定である。
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Causes of Carryover |
3次元動作解析に使用する反射マーカーやテープ等の消耗品は使用可能なものがあり、平成30年度は購入しなかった。平成31年度は解析に使用する消耗品が必要となるため、残額を充当する予定である。 また、二重動作課題の導入にあたり、ランダムに指示を行うことができる機器を購入予定である。
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