2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of anti-doping drugs on metabolic adaptation
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18K17792
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
星野 太佑 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70612117)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 骨格筋 / 筋線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
クレンブテロールの摂取が,骨格筋の代謝的および形態的な変化に与える影響を解析した.特に,ミトコンドリアの形態に着目し,今年度は電子顕微鏡による解析をさらに詳細におこなった.その結果,クレンブテロールは骨格筋のミトコンドリアの体積を減少させる一方で,ミトコンドリア同士の融合や相互作用は増大することを定量的に明らかにした.これは,ミトコンドリアが骨格筋内で量が少なくなることに対する補償的な適応ではないかと考えられる.また,ミトコンドリアの内部構造を詳細に観察したところ,クリステ構造の破綻やミトコンドリア自体の膨張など,微細構造の破綻が見受けられた.これらのこと通常の速筋線維には起きることはないことから,クレンブテロール摂取による速筋線維の増加に特有の現象であると考えられた.以上の結果は,Physiol Rep誌に掲載された (Kitaoka et al. 2019). このような骨格筋の変化がどのようなメカニズムによって引き起こされているのか,前年度に引き続き,ヒラメ筋のヒストン脱アセチル化酵素4の核移行を蛍光免疫染色法を用いて,検証した.n数を増やして検証をおこなったが,クレンブテロール摂取によるヒストン脱アセチル化酵素4の核移行の増加は確認されなかった.さらに,HDAC4の下流と考えられるMEF2による制御を受ける遺伝子の発現量を測定したところ,興味深いことに,足底筋では減少し,ヒラメ筋では増加した遺伝子も存在した.以上のことから,筋線維組成の違いによりHDAC4による制御が異なる可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)