2019 Fiscal Year Research-status Report
母親の育児ストレスは運動習慣によって軽減するか?:ホルモン動態に着目して
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18K17793
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
稗田 睦子 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (70707455)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 育児ストレス / 有酸素トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、核家族化や近隣者などとの人間関係の希薄化の進行、社会的保育支援の不足や就労スタイルの変化などにより、母親が誰の協力も得ずに一人で子育てを行う「ワンオペ育児」が増えている。このような乳幼児と母親だけの孤立状況は、母親が育児ストレスを抱えやすい環境であり、社会的な問題となっている。本研究は、定期的な運動習慣が乳幼児をもつ母親の育児ストレスに与える影響を解明し、育児中の母親のメンタルヘルスのケアを目的としたプログラムの構築に寄与することを目的としている。具体的には、乳幼児を持つ母親を対象に、育児ストレスに対する運動の直接的な効果を、ストレスや母性行動に関与するホルモン分泌量やストレス耐性から検討する。 2019年度は、乳幼児(生後半年~1年以内)を持つ母親を対象として被験者の募集を行い、運動指導員が指導する運動教室に参加してもらった。まず、運動が育児ストレスに与える急性効果を調べるため、被験者には1回の運動教室に参加してもらい、その前後で、唾液などの採取を行い、ストレスホルモンを計測した。対照実験として、運動を行わない状態で、一時的に子供を引き離し、ストレスホルモンを計測した。次に、運動の育児ストレスに対する慢性的な効果を調べるため、約2ヶ月間、運動介入を行い、唾液などの採取を行い、ストレスホルモンを計測し、得られたデータから育児ストレスに対する運動の効果を分析、検討した。また、アンケート調査や心理テストの結果を生理学的なデータと合わせて総合的に検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は計画どおり、被験者を募集し実験が遂行できた。被験者の人数が予定より少なかったが、実験の傾向を把握することができた。また、ホルモンなどの生化学的な解析も順調に行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、産休・育休のため、研究を一時中断する予定である。2021年度は、被験者をさらに募り、データを収集する予定である。また、解析を進め、得られたデータを総合的に検討し、その成果を学会等で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度(2018年度)に、計画していた研究が遂行できなかったため。2021年度には、被験者を募って研究を行う予定である。また、唾液などの解析を行う予定である。
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