2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K17797
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 育斗 作新学院大学, 経営学部, 准教授 (90779026)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 投動作 / 小学生 / 類型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学童期における子どもの投動作を定量的方法により類型化し、投動作の指導に活用できるデータベースを作成することである。2019年度の計画は、小学生男女の投動作データの不足を補うとともに、投動作の類型化をおこなうことであった。 当年度において新たに追加した投動作データは、小学6年生の男子16名、女子15名、計31名であった。前年度までの投動作データ(小学1年生~6年生)とあわせると、データベース構築のための基礎データとしては十分な数となった。 試技は、新体力テストの実施要項に従い、半径1mのサークル内からソフトボール(1号球)の遠投であった。この時の動作を高速度カメラ2台で撮影し、動作解析ソフトウェア(Frame-DIAS)を用いて手動でデジタイズして測定点の2次元座標値を得た。既知の座標値からパラメータを求め、DLT法によって測定点の3次元座標値を算出した。投球腕の関節角度、体幹の部分角度などを算出し、これを変数としてクラスター分析をおこない、各群の平均的な動作を構築した。 男子における各学年の投距離では、1年生は7.4±2.6m、2年生は13.0±6.6m、3年生は14.6±3.9m、4年生は18.9±7.4m、5年生は17.2±4.5m、6年生は28.3±7.7mであった。また、動作パターンに分けられた各群をみると、平均投距離が大きい群ほど高学年児が多く存在する傾向にあり、平均投距離が小さい群では体幹の水平回転の動作範囲が小さい、リリース直前での肩の水平内転が大きいなどの特徴がみられた。また、平均投距離が小さい群には、低学年児だけでなく高学年児も存在した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投動作データの拡充にトラブルは無く、類型化の方法についても問題なく進んでいることから、おおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度では、類型化した群ごとに,標準動作モデル(具体的な動作パターン),関節角度などの定量的特徴,構成する児童の特性(年齢,身長,投距離など)を一覧表にまとめてデータベースを作成する.また、前年度までに得られた研究成果は,国内外の学会や学術雑誌で発表する.また,データベースはサーバーをレンタルし,ホームページを作成して公開する.なお,対象者数が不十分な場合は,前年度と同様のデータ収集を行う.
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Causes of Carryover |
導入機器の仕様や購入価格に変更があったため、数万円の次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金とあわせて、研究計画のとおりにシステム構築料等へ充当する。
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