2018 Fiscal Year Research-status Report
リボソーム生合成に着目したマッスルメモリーの分子生物学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
18K17801
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中田 智史 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 博士研究員 (20778881)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋肥大 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
マッスルメモリーとは一度筋肥大を起こした骨格筋はその後筋量の低下が起こっても再度負荷を加えることで比較的速やかに筋量の再獲得が行われる現象をいう。本研究ではマッスルメモリーの分子生物学的メカニズムの解明を目指している。しかし、これまでマッスルメモリーの詳細な検討に適した動物モデルは作られてこなかった。そこで本研究ではまずマッスルメモリーのマウスモデルの開発を行った。マッスルメモリーは過負荷により筋肥大を経験した後に免荷により筋委縮を引き起こす必要がある。そのため、まず、マウスにおいて過負荷による筋肥大モデルの効果を確認するためにC57BL/6Jマウスに対して、腓腹筋ヒラメ筋を切除することで足底筋に過負荷を与え筋肥大させる、協働筋切除手術を行った。切除手術2週間後、足底筋を採取し、筋重量を測定したところ、手術脚足底筋は非手術脚足底筋に比べ、1.8倍の肥大率を示した。次に、免荷による筋萎縮モデルを確認するために、尻尾により吊り下げることで、後肢にかかる負荷を除き、筋萎縮を引き起こす後肢懸垂を行った。しかし、後肢懸垂2週間後、筋重量の変化を調べたところ、腓腹筋、ヒラメ筋は有意な筋萎縮が見られたのに対して、足底筋は有意な筋重量の変化は見られなかった。そこで、次に熱可塑性キャスト材によって足関節を底屈位で固定した後に後肢懸垂を行った。その結果、後肢懸垂2週間後、足底筋を採取し筋重量の測定を行ったところ、有意な筋萎縮が観察された。これまでのところ、マッスルメモリーモデル作成に必要な協働筋切除手術と足関節固定後肢懸垂法の確立が行えた。今後は作成したこれらの手法を組み合わせ、マッスルメモリーモデルの確立を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、マッスルメモリーのマウスモデルの開発を行う上で必要となる2つの筋肥大と筋委縮の手法の確立を試み、従来の手法に改良を行うことで、効果的な手法の確立が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は改良した手法を組み合わせ、マッスルメモリーのマウスモデルの確立を行い、メカニズムの解明を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究手法の変更により、予定していた測定内容が次年度に繰り越したため、次年度使用額が生じた。 繰り越した測定内容を本年度の計画と合わせて使用計画になっている。
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