2019 Fiscal Year Research-status Report
リボソーム生合成に着目したマッスルメモリーの分子生物学的メカニズムの解明
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18K17801
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中田 智史 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 特任助教 (20778881)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋肥大 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
マッスルメモリーとは一度筋肥大を起こした骨格筋はその後筋量の低下が起こっても再度負荷を加えることで比較的速やかに筋量の再獲得が行われる現象をい う。本研究ではマッスルメモリーの分子生物学的メカニズムの解明を目指している。しかし、これまでマッスルメモリーの詳細な検討に適したモデルは作られてこなかった。本年度は、細胞モデルの作成を行った。まず、骨格筋細胞モデルに適した培養条件の構築を行った。これまで、筋芽細胞株を筋管細胞まで分化させることで骨格筋の細胞モデルとしてきた。しかし、プラスチックシャーレ上での培養では、筋管細胞はランダムな配向を示すために、筋管細胞の長軸方向への機械的刺激の負荷は困難であった。そのため、定性・定量性に優れた機械的刺激を負荷できる筋管細胞の配向を一方向に規定できる培養手法の構築を行った。まず、機械的刺激負荷用のPDMSチャンバー上でPDMSで自作した溝パターン作成器を用いて細胞基質用ゼラチンに対して溝パターンを作成した。次に溝パターン化ゼラチンの熱に対する脆弱性を改善するために、トランスグルタミナーゼによって架橋処理を行った。その後、筋芽細胞株を播種・培養し、筋管細胞への分化を行ったところ、筋管細胞は溝パターンに沿って配向した筋管を形成することができた。これは従来の類似の手法に比べ、極めて安価に作成が可能な手法である。現在、形成した筋管細胞に対して機械的刺激を負荷する実験を行っており、また筋管細胞に対する萎縮モデルも検討している。今後は作成したこれらの手法を組み合わせ、マッスルメモリーの細胞モデルの確立を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、マッスルメモリーの細胞モデルの開発を行う上で必須となる基礎的手法の確立を行えた。現在より発展させたモデルの確立を行っている
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Strategy for Future Research Activity |
今後は改良した手法を組み合わせ、マッスルメモリーモデルの確立を行い、メカニズムの解明を行っていく。
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Causes of Carryover |
解析の一部の変更により、予定していた測定内容が次年度に繰り越したため、次年度使用額が生じた。 繰り越した測定内容を本年度の計画と合わせて使用計画になっている。
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Research Products
(4 results)