2019 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of Effective Emotion Regulation Strategies for Athletes: An fMRI study
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18K17802
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川田 裕次郎 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 助教 (40623921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感情調節 / アスリート / パフォーマンス / 混合研究法 / スポーツ / fMRI / 神経科学 / スポーツ心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度(令和元年度)は、トップアスリートの効果的な感情調整方法の解明を明らかにするために「混合研究手法」(質的研究と量的研究を用いる研究手法)を用いて研究を進めた。 具体的な進捗状況としては、パフォーマンスの安定しているアスリートの行う感情調整方法の特徴を明らかにした(質的研究)。安定してパフォーマンスを発揮しているアスリートを対象にインタビュー調査を行い、競技場面で頻繁に採用している感情調整方法について質問した。その後、アスリートから報告された感情調整方法について質的分析法を用いて分類した。その結果、パフォーマンスの安定しているアスリートは特徴的な感情調整方法を用いることが明らかとなった。この結果から、パフォーマンスの安定しているアスリートの行う感情調整方法の特徴が示された。 次に、アスリートの感情調整方法とパフォーマンスの安定度との関連を検討した(量的研究)。アスリートを対象に抽出された種々の感情調整方法を測定する質問項目を作成し妥当性と信頼性を検証した。その後、作成された質問紙を用いて感情調整方法を測定し、アスリートの競技パフォーマンス指標との関連について交絡要因を考慮して統計的に分析した。その結果、感情調整方法を頻繁に行う者のパフォーマンスが安定していることが示された。この結果から、アスリートの感情調整方法とパフォーマンスの安定度には一定程度の関連があることが示された。 今年度の主な学術的な成果としては、得られた知見について国内外の学会で発表を行った。また、得られた知見を英文論文としてまとめ学術雑誌への投稿の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施予定であった調査を行い研究が進展した。そのため、進捗状況としては「おおむね順調に進展している」状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としては、予定していたアスリートの感情調節に関わる神経基盤の解明について研究を進めていく。アスリートにおける感情調節がパフォーマンスに及ぼす影響をfMRI実験で検討する。アスリートの感情調節方法に関わる脳活動部位と感情調節とパフォーマンスの関連を神経科学の視点から明らかにすることで、アスリート自身のパフォーマンス発揮やコーチの指導方法の改善に繋げる。調査の結果が得られ次第、国内外の学術学会で発表と論文化を行い広く社会に公表していく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況を踏まえ、消耗品の購入を次年度としたため次年度の使用額が生じた。そのため、次年度に使用予定である。
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