2020 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of Effective Emotion Regulation Strategies for Athletes: An fMRI study
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18K17802
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川田 裕次郎 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 助教 (40623921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感情調節 / アスリート / パフォーマンス / 混合研究法 / スポーツ / fMRI / 神経科学 / スポーツ心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、アスリートの効果的な感情調整に関わる神経基盤を明らかにするためにfMRIを用いて研究を進めた。 性別と年齢をマッチングしたアスリートを対象に、次の4つの条件下でパフォーマンス課題を実施してもらい、課題遂行中の脳活動(BOLD信号)をfMRIで測定した。条件1「再評価方略条件」:ネガティブな視覚刺激によってネガティブ感情を想起させた後に再評価方略(感情を生起させる出来事を再解釈する方略)を行う条件、条件2「抑制方略条件」:ネガティブな視覚刺激によってネガティブ感情を想起させた後に「抑制方略」(生起した感情を表情や態度に出さないようにする方略)を行う条件、条件3「感情調整なし条件」:ネガティブな視覚刺激によってネガティブ感情を想起させた後に感情の調整を行わない条件、条件4「ニュートラル条件」:ニュートラルな視覚刺激によって感情を想起させない条件を設定した。脳活動データは脳画像解析ソフト(SPM 12)で前処理、個人解析、集団解析を行い、アスリートの感情調整に関連する脳領域を特定した。パフォーマンス課題としては、選択反応課題への回答を求めて正答率と反応時間を測定した。パフォーマンス課題のデータは統計解析ソフトSPSSで分析を行った。 パフォーマンス課題のデータの分析の結果、再評価方略条件においてパフォーマンス指標の改善が確認された。脳活動データの分析の結果、前頭葉を中心とした脳領域の活動が確認され、感情調整に関与する脳領域が確認された。これらの脳活動領域が感情調整に関与しパフォーマンスの改善に寄与している可能性が示唆された。 今年度の主な学術的な成果としては、得られた知見について国内外の学会で発表を行った。また、得られた知見を英文論文としてまとめ学術雑誌への投稿の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施予定であった調査を行い研究が進展した。そのため、進捗状況としては「おおむね順調に進展している」状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としては、アスリートの感情調節に関わる神経基盤の解明について専門家の意見を聞きながら詳細に進めていく。得られた結果をアスリートや指導者にフィードバックしてアウトリーチする。得られたデータを用いて国内外の学術学会で発表と論文化を行い広く社会に公表していく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況を踏まえ、予定していた研究成果の発表を次年度としたため、次年度の使用額が生じた。そのため、次年度に研究発表のための経費として使用予定である。
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