2018 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンス運動後の脳血流低下が認知課題中の脳血流の応答性に及ぼす影響
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18K17804
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Research Institution | Yokohama College of Commerce |
Principal Investigator |
池村 司 横浜商科大学, 商学部, 講師 (00735433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳循環 / レジスタンス運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
レジスタンス運動は筋力向上やサルコペニアによる身体機能障害の予防が見込め,様々な生活の問題を解決する有効な運動様式である.しかし,高強度のレジスタンストレーニングによって脳血流が低下することが報告されている.脳血流と認知機能は正の相関関係があることから,レジスタンス運動による脳血流低下は認知機能を維持する上で障害となることが予想される.一方,レジスタンス運動によって認知機能が向上することが報告されており,脳血流の絶対量が低下しても,認知機能の維持に影響しないことが示唆されている.レジスタンス運動に伴って脳血流の絶対量が低下しても,それを補償するために脳循環で応答が生じている可能性が考えられるが,明らかにされていない.そこで本研究では脳循環に対するレジスタンス運動の影響を,脳血流以外にて評価するために,認知課題に対する脳血流の応答性を検討することを目的とした. 今年度は,実験環境(脳循環の測定機器の選定)の確保や,デモ機を使用しての予備実験の実施など,本実験の開始のための準備を進めた.来年度から本実験を開始する予定である. レジスタンス運動による脳血流低下は,認知機能の維持・向上に悪影響を及ぼすように捉えられる.レジスタンス運動は幅広い人々が取り組む運動様式であることから,レジスタンス運動が引き起こす脳循環応答を,血流量以外でも検討することで,認知機能の維持に対して障害となり得るのか否かを明らかにすることができる.本研究の知見は,運動効果の正しい理解を促すことに貢献するだろう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験を実施する施設を,当初予定していた実験施設から,東京工業大学・環境社会理工学院の研究室に変更するため,東京工業大学の特別研究員に登録し,今年度から実験室を使用できるようにした.本実験施設にも基本的な血行力学データを測定する機器が備わっており,確実に研究計画を遂行できる環境である. 当初,脳循環を測定する機器をレンタルする予定であったが,資金の捻出が困難であったことから,他の機器を探す作業が加わった.また,今年度の予算では該当機器をそろえることが出来なかったため,実験機器をすべて揃えるのは来年度に持ち越された. 以上の理由で,今年度の研究計画から”やや遅れている”と評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度にて,研究を遂行するための環境をおおむね整えることができ,来年度の早い段階で全ての実験機器が揃うことから,すぐに本実験を開始し,全実験の実施とデータ解析の完了を目指す.
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Causes of Carryover |
当初,脳循環を測定する機器をレンタルする予定であったが,全実験を完了するためのレンタル費の捻出が困難であったことから,他の機器を探した.今年度の予算では該当機器を揃えられなかったため,今年度使用額を翌年度分として請求し,翌年度の研究費の一部と合算することで,該当機器を揃えることが可能となる. 以上の理由から次年度使用額が生じた.なお,該当機器は研究計画を遂行するために必要不可欠な機器である.
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