2019 Fiscal Year Research-status Report
神経筋接合部はレジスタンストレーニング後の筋力増強率決定因子か?
Project/Area Number |
18K17817
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
蒔苗 裕平 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 講師 (00706632)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NMJ / レジスタンス運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レジスタンストレーニングの負荷強度の違いが神経筋接合部(NMJ)に及ぼす影響について検討し、NMJの適応の程度が筋力の規定要因なのか明らかにすることである。 近年、mTORC1がNMJの定常性維持に重要であることが報告されている。レジスタンス運動は、mTORC1を強く刺激する運動形態である。このことから、レジスタンス運動はmTORC1を介して、NMJ形成に関わる因子を調節する可能性が考えられた。そこで本年度は、一過性の高強度レジスタンス運動を行い、mTORC1およびNMJ形成に関連する因子の応答について解析した。11週齢のSprague-Dawley系雄ラットを対象に、麻酔下において右後肢腓腹筋に対する経皮的電気刺激を与え、等尺性最大筋収縮を行った。筋収縮後にサンプル採取を行い、RT-PCR法にてmRNA発現量、ウエスタンブロッティング法にてタンパク質発現を解析した。 レジスタンス運動後にmTORC1活性の指標であるp70S6Kやその下流因子であるrpS6のリン酸化が亢進したことから、本研究においても先行研究と同様にレジスタンス運動がmTORC1を活性化させることが確認された。NMJ形成に重要な因子であるLRP4のmRNA発現量はレジスタンス運動後に一過的に低下した。一方、LRP4のタンパク質発現量は、運動前後で有意な変化が確認されなかった。また、AgrinやMuSKはmRNA、タンパク質ともに運動前後で発現量が変化しなかった。 以上の結果から、単回のレジスタンス運動はmTORCを活性化させるが、NMJ形成に関連する因子に与える影響は小さい可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
解析の条件検討に予想以上の時間を要してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は強度を変えたレジスタンス運動の効果について検討する、あるいは、繰り返しのレジスタンス運動の効果について検討することを考えている。
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Causes of Carryover |
研究遂行が予定よりも遅れたため。
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