2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tDCS method for improvement of muscle endurance performance
Project/Area Number |
18K17821
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 輝 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教 (90758591)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋電図 / 経頭蓋直流刺激 / 筋疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流刺激は中枢神経回路の興奮レベルを変調させることができるニューロモデュレーション法の1つであり、経頭蓋直流刺激が骨格筋の筋活動を司る中枢神経回路の疲労を軽減させることが示唆されてきた。しかしながら、その神経メカニズムは明らかにされていない。本研究の目的は、経頭蓋直流刺激が骨格筋の持久的パフォーマンスに及ぼす影響とその神経メカニズムを明らかにすることであった。 まず、経頭蓋直流刺激が第一背側骨間筋の筋持久力および皮質脊髄路興奮性に与える影響を明らかにする実験を実施した。被験者の頭皮に貼付した電極から一次運動野に直流刺激を与え、筋収縮持続時間および皮質脊髄路興奮性を計測した。中枢神経回路の変調効果のない疑似刺激条件での実験を別日に行い、それを対照群とした。経頭蓋直流刺激を与えても、疑似刺激条件と比べて筋収縮持続時間の有意な増大は認められなかったが、筋疲労困憊後における第一背側骨間筋の皮質脊髄路興奮性は疑似刺激条件と比較して有意に低下することが認められた。 次に、経頭蓋直流刺激が持続的な筋収縮中における皮質脊髄路興奮性の変調に与える影響を明らかにする実験を実施した。経頭蓋直流刺激を与えた後、第一背側骨間筋の持続的筋収縮中に皮質脊髄路興奮性の計測を毎分行った。皮質脊髄路興奮性に経頭蓋直流刺激の影響は見られなかったものの、経頭蓋直流刺激を与えると、第一背側骨格筋の筋活動が増大することが見られた。 以上の結果から、経頭蓋直流刺激は第一背側骨間筋の持久的パフォーマンスの向上に寄与しないが、持続的筋収縮中に一次運動野から脊髄への下降性神経入力を増大させる可能性があることが明らかになった。
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