2019 Fiscal Year Research-status Report
学生競技者のアイデンティティに関する基礎的研究-大学スポーツ振興に向けて-
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18K17825
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
萩原 悟一 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (30734149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スポーツマネジメント / 大学スポーツ / 文武両道 / 学生競技者 / 学生アスリート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の計画は前年度に作成した学生競技者アイデンティティ尺度を用い学業成績等の結果要因との関連を検討することであった。 また、学生競技者アイデンティティ形成に影響を与える先行要因(組織アイデンティフィケーション理論を基軸として)の検討を実施し、学生競技者アイデンティティとの関連を検証することであった。まず、本年度は学生競技者アイデンティティの検証前に競技者アイデンティティと関連要因が必要であることを前年度の検証から見出し、競技者アイデンティティと社会的スキル、学業成績の関連および競技者アイデンティティの尺度構造の再検討を実施した。その結果、大学生競技者向けの競技者アイデンティティは尺度は競技という役割に対して適切に評価できる指標であることを再度確認できた。次に、前年度に作成した学生競技者アイデンティティ尺度と既存の学業アイデンティティ尺度(Shields, 1995)と競技者アイデンティティ尺度(萩原ほか,2013)を比較すると、学業因子および競技因子との正の相関および負の相関関係が認められた。つまり、本尺度の基準関連妥当性についても確認できたといえる。さらに、今年度はGPAとの関連性、学生競技者アイデンティティの構成要素の検討を実施し、新たな知見を得ることができた。本年度の終盤には組織アイデンティフィケーションを測定するための尺度を作成し調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で調査は一時中断している。それ以外の研究の進行はおおむね予定通りである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響で大学の運動部活動が3月初旬より休止しており、調査を実行することができない状況にある。また、このような状況で調査を実施したとしても有効なデータを取得できるとはいえない。一部の調査はオンラインを通じて実施しているが、調査説明などを直接行うことができず、年度終わりに予定していた調査の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、大学の運動部活動が徐々に再開される予定であるが、それに合わせてオンライン調査を実施していく予定である。そのための準備(WEBおよびタブレット端末を使用したアンケート調査の検討)を前年度から進めており、今年度、準備が整い次第、調査を実施する予定である。また、調査実施予定校については事前に各大学の調査協力者に事前連絡済みであり、予定している調査対象者数は確保できる状況にあると考えている。しかしながら、今後の状況により予定が変更する場合は研究期間の延長を含めた検討が必要であるといえる。
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Causes of Carryover |
調査実施に係る出張および発表予定学会の中止などによる支出がなかったため。次年度には多くの学会でオンラインの学会発表等が実施されることから、発表回数を増やして研究公表の機会を増やしていく。また、当初予定していた学会発表のみではなく、国際誌(OA)への論文投稿に切り替え、広く研究を公表していく予定であり、そのための経費として使用する予定である。
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Research Products
(12 results)