2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental Studies of Student Athletes' Identity: towards the promotion of collegiate athletics.
Project/Area Number |
18K17825
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
萩原 悟一 九州産業大学, 人間科学部, 准教授 (30734149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学生アスリート / UNIVAS / 文武両道 / デュアルキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国の大学生競技者の学生競技者としてのアイデンティティの在り方 を明らかにすることおよび、スポーツへの傾倒意図、学業成績、キャリア発達度等との関連を検証することであった。また、学生競技者としてのアイデンティティ形成に関わる先行要因の検討も実施した。初年度に実施した質的調査から得られた知見および先行研究から得られた情報を基に学生競技者アイデンティティを測定できる尺度(AAIS-J)を作成した。本尺度を使用し、学生競技者のアイデンティティを学業と競技という2側面から評価することで、わが国の学生競技者のデュアルキャリアに対する認識を明らかにすることが可能となった。また、2年目以降はAAIS-Jを使用し、様々な関連要因との検証を行った。特に、学生競技者アイデンティティの程度とGPAの関連について検討した結果、GPAの高さと学業アイデンティティには関連があることが示され、また、競技アイデンティティとの関連も示された。つまり、競技者としてのアイデンティティが高い者ほどGPAも高くなることを示していた。さらに、学生競技者アイデンティティを醸成するための先行要因の検討を行った結果、大学から経済的支援を受けている学生競技者ほど競技および学業アイデンティティが高いことが示された。つまり、スポーツ奨学生等の優遇措置を受けている学生競技者は自身の役割を「学業と競技を両立する学生」と認識しているのであろう。最終年度に実施した検証では、学業・競技アイデンティティがともに高い者はスポーツ奨学生であり、さらに学業と競技の両立(デュアルキャリア)意識にも学業・競技アイデンティティが強く関連していることを示した。
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