2019 Fiscal Year Research-status Report
地域スポーツクラブの実践を支える「ローカルなしくみ」~ポスト東京五輪を見据えて~
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18K17828
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
関根 正敏 中央大学, 商学部, 准教授 (60638956)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域スポーツクラブ / スポーツ政策 / 地方自治体 |
Outline of Annual Research Achievements |
経営資源が限られている中で、地域スポーツクラブではその運営の充実に要するリソースをいかなる回路から調達しているのか。また、そのクラブでは、どのような経営実践が行われ、「地域のつながり」を構築・維持しているのか。本研究では、保有資源が決して豊富とは言えない状況の中で、「ローカルなしくみ」を活用しながら持続的に活動を展開する地域スポーツクラブの経営実践の内実を明らかにすることを目的とする。クラブ育成をめぐる画一的・抽象的な議論が中心となり、地域スポーツの当事者である住民の実情を踏まえた研究が圧倒的に少ない中で、本研究においては、エスノグラフィー(詳細な現地調査)によって一次データを蓄積しながら議論を積み上げる点に独自性がある。 今年度は、本科学研究費助成研究の2年目になるが、当初の予定通り、クラブ育成を推進する政策的動向の分析ということに主眼をおいて研究を進めた。2015年にスポーツ庁が創設されることを1つの契機として、従来からの教育政策という枠組みだけでなく、経済政策といったフレームが明確に加味され始める中で、地方行政におけるクラブづくりはどのような方向に向かっていくのか。本年度においては、そうした観点から、各自治体のスポーツ政策にまつわるドキュメントを収集し、分析を始めることができた。この政策動向の分析は、次年度(3年目)の主要課題となるクラブ分析の際に活用する重要なデータとなり、今後の研究推進を支える下地を培えたことが本年度の成果といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の想定通り、地方自治体におけるクラブ育成施策の最新動向に関する分析を深めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本科学研究費プロジェクトの3年目については、予定通り、地域スポーツクラブの現場におけるフィールドワークを実施し、有限な資源を巧みに活用しながらクラブ育成を進めるためのしくみに関する分析を進める。なお、新型肺炎ウィルスの感染拡大のため、現状でもいくつかの調査が中止を余儀なくされ、研究が遅滞することが危惧されるが、できる限り、間接的なリソースからの情報等、入手可能なデータを中心に分析を進め、計画通り、研究を進めるよう配慮する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大によっていくつかの現地調査が中止になっことが、次年度使用額が生じた主要な理由である。 この予算については、社会情勢が安定した後の調査旅費や、情報収集のための文献購入費に充てる。
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